両眼3焦点 vs Mixed&Match の比較考察

両眼にPanOptix挿入 vs 優位眼Vivity+非優位眼PanOpitix(=Mix & Match)の比較を考察する。
「どちらがいいのか?」と聞く患者さんが増えてきたからである。

Mix&Matchは多焦点レンズへの了解が浸透し、またハログレ現象への理解も増してきたため、ひねり出された技法とみなしうる。

純粋に眼鏡依存度を下げるのであれば両眼3焦点を入れたほうがよい、のは言を俟たない。両立ムリってこと。

比較一覧

評価項目 (1)両眼 PanOptix
(3焦点 × 3焦点)
(2)優位眼Vivity + 非優位眼PanOptix
(Mix&Match法)
遠方の見え方(昼) ◎ ◎
(よりくっきり)
中間の見え方
(PC・料理など)
◎ ◎
(より自然で連続的)
近方の見え方
(スマホ・読書など)
◎
(最も強い・眼鏡不要率が高い)
○
(細かい文字はやや劣る)
夜間の見え方
(夜間運転など)
△
(ハロー・グレアあり)
◎
(ハロー・グレアが少ない)
見え方の質
(コントラスト・くっきり感)
○ ◎
(優位眼がクリアで自然)
左右の違和感のなさ ◎
(両眼同じレンズで自然)
○
(脳の慣れが必要)
「どちらがいいのか?」
(1)両眼PanOptix が向いている人
  1. 「絶対に老眼鏡をかけたくない」人: 読書、スマホ、裁縫、細かい手作業などを裸眼で行いたい。
  2. 夜間の運転をあまりしない人: 夜間に出歩くことが少ない、あるいは夜間の運転はたまにする程度でハロー・グレアは許容できる。
  3. 大らかで順応性が高い人: 「多少光がにじんでも、手元が見えるなら気にならない」と割り切れる。
  4. 目の健康状態が完全に良好な人: 網膜疾患や緑内障の気配が全くなく、コントラスト感度が多少落ちても問題ない。
(2)Mix & Match(Vivity+PanOptix)が向いている人
  1. 夜間の運転を頻繁にする人・職業ドライバー: 夜間のハロー・グレアを最小限に抑えたいが、日常生活で老眼鏡もなるべく使いたくない。
  2. 「見え方の質(くっきり感)」を重視する人: ゴルフ、テニスなどのスポーツや、風景写真、絵画鑑賞など、遠方〜中間の自然な見え方やコントラストを妥協したくない。
  3. パソコン作業や料理など「中間距離」が生活の中心の人: スマホは見るけれど、何時間も紙の本を読むわけではなく、どうしても細かい文字を見る時だけ老眼鏡をかけるのは許容できる。
  4. 少し神経質な面がある人: ハロー・グレアなどの異常光視症に対して不安が強い方には、利き目をVivityにしておく方が術後の満足度が高くなりやすい。
(3)やっぱり、どっちにしたらいいかわからない人
  1. 「まずは非優位眼(または先に手術する目)にPanOptixを入れて」数日〜1週間ほど様子を見て、
  2. 「手元がすごくよく見えるし、夜の光のにじみも大して気にならない」と感じれば、もう片方もPanOptix(=1の方法)にする。
  3. 「手元は見えるけど、夜のライトの輪っかが気になる」「もう少し遠くをくっきり見たい」と感じれば、もう片方の利き目にはVivityを入れる(=2の方法)にする。

参考文献

  1. Acar B, Nurozler Tabakci B. Clinical outcome comparison: bilateral trifocal vs. mix–match extended depth of focus and trifocal intraocular lenses. Int Ophthalmol. 2021;41(11):3675–3686.
  2. Labiris G, et al. Mix-and-match vs bilateral trifocal and bilateral EDOF intraocular lens implantation: the spline curve battle. J Cataract Refract Surg. 2024;50(2):167–173.
  3. Ke S, Wan W, Li C. Comparisons of visual outcomes between bilateral implantation and mix-and-match implantation of three types intraocular lenses. Int Ophthalmol. 2023;43(4):1143–1152.
  4. Song JE, Khorramnia R, Son HS, Knorz MC, Choi CY. Comparison between bilateral implantation of a trifocal IOL and mix-and-match implantation of a bifocal IOL and an extended depth of focus IOL. J Refract Surg. 2020;36(8):528–535.