近視サプリメントのクロセチンについて

最近、問い合わせが多いので調査しました。
以前も書いたが、慶応大学の研究成果です。

「内服で、眼軸長延伸が抑制」を不思議に感じたので、機序を調べた。

クロセチンは、慶應義塾大学医学部眼科学教室の近視研究チームが、「EGR1を活性化する食品成分」を探したところ、 「クロセチン」が群を抜いてEGR1遺伝子を活性化させることがわかりました。

よって、EGR1が重要なメディエータと思しき。。

EGR1(early growth response 1)は、細胞の増殖を調整したり、腫瘍の形成を予防するような遺伝子です。
屋外環境に豊富にある波長域360-400nmの光を浴びると、実験近視モデルで眼軸長伸長が抑制され、EGR1が有意に上昇していることが確認されました

更に、このドーパミン説とも関連するんだけど、

EGR1(Early Growth Response 1)は、特定の神経活動や神経伝達物質の影響を受けて発現します。ドーパミンはそのような神経伝達物質の一つで、報酬や動機づけ、運動制御などに関与しています。

ドーパミンがEGR1の発現を誘導するという研究結果があります。例えば、”Dopamine induces expression of the immediate early gene zif268 (Egr1) in striatal neurons by diverse signaling pathways”という論文(Minatohara, Keiichiro et al., 2016)では、ドーパミンがストリアタム(脳の報酬系に関与する部分)のニューロンでEGR1の発現を誘導することを示しています。

以上、踏まえると

・クロセチンを摂取 and/or 太陽光線を浴びる
  ↓
・網膜内ドーパミン活性が亢進
  ↓
・EGR1遺伝子の発現が亢進
  ↓
・細胞増殖が抑制される
  ↓
・眼軸長の延長が抑制される
  ↓
・近視が抑制される

という流れが想定される。

I Have a Choice to Make About My Blindness

NY Timesの記事です。

網膜色素変性症により、レストランのメニューが読めなくなった私には二つの選択肢がある。
・Be My EyesやVirtual Volunteerを使って、独力でメニューを読解する。
・家族にメニューを読んでもらう。

AIアプリはエラーがちで、存在しないボタンやあえりえないレシピを提示することがある。
家族とのコミュニケーションによって得難い交流がえられる。

「人との交流は大事であり、AIでは代替できない経験がある」みたいなハナシ。


文中アプリについて調べた。

  • Be My Eyesをインストールすると、画像を読んでくれるボランティアーを探してくる。カメラを読解対象に向けるとそのボランティアさんが内容を読み上げる、という仕組み。接続に数十秒かかり、即座読みあげというわけにはいかない。
  • Virtual Volunteerは、ボランティアーに頼らず完全にAI判定できるらしい。Be My Eyesの中からwaitリストに登録する必要がある。

Be My Eyesは、優れものだ。
ただ、対側の人間の存在には、微妙~な緊張感を感じる。
ので、Virtual Volunteerが降ってきたら追加報告します。