従来の単発照射とちがって、連続パターン照射ができる装置です。

- 現在のシングルショット条件:200mw、200μ、200mmSec=40mJ
↓
パターンショット条件:300mw(~400mw)、200μ、20mmSec × 9spots =54mJ - 照射パワーが同じでも、各照射時間は短く患者さんの痛みが激減する、凝固班も淡い。
- 照射間隔も勘案し、重症例→0.5spot間隔、通常例→0.75spot間隔。

照射班のクリーピングがおこりにくく、クリーンな照射痕となる🙂
従来の単発照射とちがって、連続パターン照射ができる装置です。


照射班のクリーピングがおこりにくく、クリーンな照射痕となる🙂
参天製薬からセタネオという新薬が発売されました。
エイベリスの進化バージョンかと思いきや、全く違くて
| エイベリス | セタネオ | |
|---|---|---|
| 受容体 | 非プロスタノイド EP2受容体作動薬 | プロスタグランジン系 FP+EP3デュアル作動薬 |
| IOL眼 | 禁忌(添付文書明記) | 慎重投与(禁忌ではない) |
| CME(黄斑浮腫)リスク | 比較的高い(報告あり) | PG系としては低い(従来PG同等) |
PAPは従来並みに発生するが、DEUSについては発売間もないため未確認らしい。が、当然発生するやろ。
従来のプロスタグランジン系薬剤と比較すると
| 効果順位 | 一般名 | 先発商品名(メーカー) | 平均眼圧下降率 | 主な受容体/作用機序 | 主な特徴・備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | ビマトプロスト | ルミガン®(アッヴィ/旧アラガン) | 約30〜35% | FP受容体+EP1/EP3作動 | 最強クラス。PAP、DEUS多し。 |
| 2位 | タフルプロスト | タプロス®(参天製薬) | 約30% | FP受容体選択的作動 | 安定した降圧効果。防腐剤無添加タイプあり。PAP、DEUS少。 |
| 3位 | セペタプロスト | セタネオ®(参天製薬) | 約28〜32% | FP+EP3デュアル作動 | 新世代PG。主+副流出路に作用。副作用はPG系中間程度。 |
| 4位 | ラタノプロスト | キサラタン®(ファイザー) | 約27〜30% | FP受容体作動 | 初代PG。安定性・コスパ・実績No.1。ジェネリック多数。 |
| 5位 | トラボプロスト | トラバタンズ®(ノバルティス/旧アルコン) | 約27〜30% | FP受容体作動 | ラタノ系に類似、やや強め。PAPが比較的多い。 |
| 6位 | オミデネパグ イソプロピル | エイベリス®(千寿製薬) | 約25〜28% | EP2受容体作動(非プロスタノイド) | 色素沈着少ない美容型。IOL眼禁忌。角膜障害リスクあり。 |
| 7位 | ウノプロストン イソプロピル | レスキュラ®(大塚製薬) | 約15〜20% | EP系作用(弱) | 降圧弱め。補助的薬剤。現在は使用頻度少ない。 |
EP3作動薬としては、ルミガンのEP3作用を進化させた薬剤といえる。
MRさん「夜間眼圧を下げることができるのがウリです!」
お伺い立てたところ、、
✅「就寝中の眼圧も下がるか?」→ はい、下がるというデータはある。24時間型の薬として設計・評価されている。Santen+2PubMed+2
✅「夜間に特に強いのか?」→ ラタノプロストより夜間IOPが低い傾向は出ているが、差は統計的に決定打と言えるほどではない。ResearchGate
✅「臨床的な意味」→ 夜間高眼圧のコントロールを課題にしている患者さん(特に進行例や視野がまだ悪化している例)には、セタネオは“次の候補”として議論されている。
<結論>
「ルミガンほど効かさなくてもよい。PAP・DUES気になる。眼内レンズ入れてる。微妙に視野進行がある」場合が適応かな。
神戸iクリニック院長 仲泊聡先生のご講演でした。
ips細胞網膜移植の話が聞けるかと思ったが、そーゆーことなく、、
面白かったのは
BBC発「網膜に埋め込んだチップで萎縮性黄斑変性の人が視力を回復した」みたいな話、ききたかったな~
臨床眼科学会@リーガロイヤルと並行開催でした。
冒頭「SNS公開等まかりならん!」とのお達しあり、詳細は控える。
大鹿 哲郎教授 (筑波大学)
・市場シェアはEDoFが3焦点に追いつきつつあり、早晩逆転するであろう。
Tim Robertson教授(シドニー大学)
・オーストラリアは車社会であり、遠見視力、遠見でのdysphotopsiaの軽減が重視される。アジア圏の近方重視と異なる。
・アイハンスと違ってLogMAR視力≧0.2(≒小数視力0.63)の範囲が広がっていることに大きな意味がある。
・ハログレと明視距離はトレードオフの関係にあり、フリーランチはない。患者さんによく説明し、選択してもらう
ビッセン宮島弘子先生(東京歯科大学水道橋病院)
・トーリックレンズを選ぶ人が多い。
・正視と-0.75Dのモノビジョンの組み合わせにすると近方40cmの視力がよい。
・一眼目はFirst Minusとし、二眼目の度数差は症例によって調整。
質疑&応答
・アイハンスのモノビジョンなら保険適用だが、PuaSeeを選ぶ意義はどこにあるのか?
→Prof.Robertson:オーストラリアでは説明のうえ、患者に選んでもらう。monofocalは大きく入れ替わった。保険体系が日本とは異なる(よーなことを言ってた気がする)
→大鹿先生:両者の加入度数には明確な違いがある。(2.0D vs 0.5~0.75Dと当ブログは考えるが)大鹿先生は66cm vs 120cmといってた。
・ビッセン先生に「アルコンVivityと比べてどうすか?」と、お尋ねしたら「プラットフォームの違いで、好みを選べばいいでしょう」
感想
・前回「中間を膨らませたしただけ」といったが、実にこの中間を膨らませLogMAR視力≧0.2領域を広げた事にこそ意義がある、というね。
225/10/20 追記
オーストラリアでは、多焦点レンズが日本のかつての先進医療と同じような扱いであり、わずかな私的保険で多焦点レンズの適用となる。そのため、単焦点レンズが大きく多焦点レンズに置き換わったらしいです。
A-modeでしか、眼軸長が計測できない場合でもBarrettⅡを使えるんじゃね?と思うが、超音波測定時のLF(LensFactor)値は各社とも提供していない。
これは、BarrettⅡが優れて光学計測に依拠するからであり、即ち、提供していないのではなくて提供できないのである。
しかし、公開Web計算式ではLF or A-constant とあるんだから、A定数を放り込めば良いのでは!とも読める。
実際、内部的にはA定数からLF値を求めてるらしいが、実装は一切不明。
而して、これは、単に互換性を担保するだけの仕様であり、orは厳密な意味でのorではないと考えるべき。

回りくどくなったので、以下まとめる。
1.光学式で測定できるならBarrettⅡ+LF
2.超音波でしか測定できないなら、(第3世代)SRK-T(要A定数) < (第3世代)HofferQ(要pACD定数) < (第4世代)Hagis(要a0,a1,a2定数)
一時期、よくきいたアポダイズ回折って最近あまり聞かんな~、という件を調べました。

Examples of diffractive multifocal IOL designsより引用
アポダイズ回折とは「回折格子の高さや幅を、周辺から中心に向かって変化させる」ことによって、
ActiveFocus Restorで2017頃風靡したが、PanOptixやSynergyでは採用されていない。Odysseyのすりガラス状エッジや回折リング高↓はハログレ対策であって、アポダイズ設計とは無関係。
ではなぜ、アポダイズ回析が採用されなくなったかというと、以下のようである。多分。
そこで、ALCONはアポダイズ設計を捨てて、PanOptixでは中心部径4.5 mmの非アポダイズド回折を採用したらしい。
称してENLIGHTEN技術であり、「これによって約 88 %の光が網膜へ到達するように設計されている」「周辺部の単焦点ゾーンが狭まることによる遠方視力低下は、遠方パワー配分を44%と増加させることによって補っている」といってる。
Gemetricに対するコメントも、上記経緯から漸く理解できる..のである。
以前、デフォーカス組み込み型の近視抑制コンタクトレンズ としてクーパービジョンMiSightを紹介しました。
未承認レンズであり、当院では同一効果のSeed Oneday PureEDoF を使用してきました。
最近、子どもの近視治療用コンタクト、国内初の薬事承認を18日審議 という記事をみたので資料請求したところ、以下2論文をいただきました。
1.A 3-year Randomized Clinical Trial of MiSight Lenses for Myopia Control – PubMed
2.Long-term Effect of Dual-focus Contact Lenses on Myopia Progression in Children- A 6-year Multicenter Clinical Trial – PubMed
1.は前回よんだ論文です。3年間MiSightを装用した効果を示しています。
治験参加者は8歳から12歳の近視児童。
治験デザインはMiSightレンズ装用者53名、プロクリアー1Day(コントロール)装用者56名。二重盲検。
結果「3年後の結果で、屈折度は 59% (−0.51 ± 0.64 D vs −1.24 ± 0.61 D) =0.73D、眼軸長は52% (0.30 ± 0.27 mm vs 0.62 ± 0.30 mm) =0.32mm抑制された。
2.は1.のフォローアップ論文。つまり、4年目から6年目までを経過観察し判定したものです。
3年間MiSightを装用し、引き続き3年間(合計6年間)も装用したグループでは、近視進行の抑制は保たれた。
3年間MiSightを装用せず、4年目から装用に転じたグループでは、未装用だった3年間と比べて71%眼軸長の伸長が抑制された。
担当者談「承認は取ったが、発売については1年くらいはかかるかもしれない」
J&JがEyhance欠品中につき、PureSeeを提供してくれている。
で、両者の比較を行った。

以前、「デフォーカス曲線みると単焦点レンズやアイハンスの遠方~中間距離をやや膨らかしただけような気もする。」とかいた。
上記をみると、EyhanceをOddysey寄りに振ったという表現のほうがいいかも?

エネルギーロスは両者ともほぼ0%で、コントラスト感度曲線に差はない。
アイハンスがま~たまた欠品なので、同様コンセプトを持つ他社製品を調べました。
いわゆる単焦点プラスとしては、このNIDEK NSP-3と、以前述べたHOYA ヴィヴィネックスインプレスEMがある。
NSP-3のデフォーカス曲線は

アイハンスとヴィヴィネックスインプレスを、以下に示す。


左:アイハンス 右:インプレス
NIDEKは加入度数≒0.75Dよりも、farのデフォーカス曲線が平坦になり測定ずれに強いことを強調したい感じだ。
↑は、僕が以前から言ってる論点で、眼軸長測定装置や計算式の改良と同じくらい重要だと思う。
HOYA インプレスは加入度数1.0Dをわりかしアピールしており、社によって戦略が異なるんだろうな。
☞加入度数を表立って言わないのは、単焦点レンズとして許認可とってるためらしい。
最近施行したミニモノビジョンの症例で、データがそろっている場合について、患者さん満足に何が重要かを調べました。
生データは
| Patients evaluation | Age | 5mVision | 70cmVision | 30CmVision | DominantEye | TargetError | ResisualError | ToricLensInserted? | Far Eye Posirion | Near Eye Position | Tear Film Thickness | Non-Dominat eye Axis Length |
| Can read newspaper without glasses | 85 | 1.2 | 0.5 | 0.4 | Left | -0.5 | -0.625 | no | 0 | 8 | 18.5 | 24.93 |
| Can see desktop without glasses.But can’t read a book. | 66 | 1.5 | 0.7 | 0.7 | Left | -1.25 | -1.625 | yes | 0 | 10 | 11 | 28.9 |
| Can’t see well. | 61 | 2 | 0.5 | 0.5 | Right | -0.5 | -0.375 | no | 0 | 12 | 9.5 | 25.99 |
| almos everything OK without glasses. | 65 | 1.5 | 1 | 1 | Left | -1 | -1.25 | yes | 14 | 20 | 19 | 26.86 |
| can read a book. also can watch TV without glasses. | 82 | 1 | 0.5 | 0.4 | Right | -1 | -0.5 | yes | 0 | 6 | 19 | 24.38 |
| can read a book without glasses. | 67 | 1.5 | 0.6 | 0.6 | Right | -0.5 | -0.375 | no | 2 | 10 | 15 | 25.38 |
| seems to be able to rea a book without glasses. | 72 | 1 | 0.3 | 0.3 | Left | -1 | -1.375 | yes | 0 | 10 | 19.5 | 24.35 |
Julius ai によるご託宣、以下の如し。
ま、この程度の症例数ではなんともいえんが、朧ろにみえるのは