以前、EDoF型の近視抑制レンズについてご紹介した。
当院でもオルソ困難・卒業の際、シード1dayPureを重用している。
今回、そのシードのライバル社?から「低加入度数コンタクトレンズも使えます」という論文[1]-[3]を教えてもらった。
要旨は以下の通り。
+0.50D を加入した低加入度数CL と単焦点CL で近視抑制の比較を行った。
年齢 10~16 歳、近視度数-0.75~-3.50D、乱視度数-1.00D 以下の小児 24 名を2 群に分け、両レンズを 1 日使い捨てで 12 ヶ月間使用した。
装用開始 1 ヶ月後以降で 11 ヶ月間の眼軸長変化量は低加入度CL で 0.09 mm、単焦点CL で 0.17 mm であった。
文中の低加入度CLの実体は、2WEEKメニコンデュオ で、本来は「モバイルライフをサポート」である。
この論文と比べて、症例が少ない & 中立的なエビデンスいるよな、という印象。
ネット渉猟すると、メニコンは欧州でMenicon Bloomを展開している。また、Menicon Bloom Dayなるコンタクトレンズを彼の地で販売しており、
Menicon Bloom Day は、Visioneering Technologies, Inc社が、近視矯正及び近視進行抑制用としてCEマーク認証を取得した、1日使い捨てソフトコンタクトレンズ「NaturalVue®(ナチュラルビュー)マルチフォーカルコンタクトレンズ」のOEM商品であり、この度、当社が欧州において販売する契約を締結いたしました。
然し、
日本国内においては、近視進行抑制に関する規制や承認基準が整備されておりません。本製品の承認も取得しておりません。
かくして、本邦では
Seed=ブレスオーコレクト+シード1dayPure
VS
Menicon=オルソK+2WEEKメニコン デュオ
という構図と相なる。。
1.ソフトコンタクトレンズによる近視進行抑制とその光学的機序
2.Effect of low-addition soft contact lenses with decentered optical design on myopia progression in children: a pilot study
3.光学中心偏心デザインの低加入度ソフトコンタクトレンズの小児近視進行への影響:パイロット研究. :2の抄訳。
お忙しいところ大変申し訳ありません。
先生のご意見が伺いたくメールしました。
子供が近視抑制の為、コンタクトのイードフを使用したのですが、ベースカーブが合わず付けていられないみたいで今はSEEDのワンデーピュア ビューサポートを使用しています。
説明文が載っていました。
ピント調整機能への負担軽減を実現
スマートフォン等の普及に伴い、「近くを見る機会」が増えています。こうした背景を受け、シードは遠近ともにピントを調整しやすくして近くの見え方をサポートする「1dayPure View Support」を開発。遠近両用レンズの技術を応用することで、瞳のストレス軽減を図っています。
ビューサポートはベースカーブも合っており、ネットで色検索したところ、近視抑制でイードフではなく、ビューサポートを使用している眼科もありました。
でも調べているうちに
シード ワンデーピュア マルチステージ
「シード ワンデーピュア マルチステージ」は、純国産の遠近両用1日使い捨てソフトコンタクトレンズ。自然な見え方を追求した光学設計は、通常レンズからのスムーズな移行が可能なので、初めて遠近両用コンタクトレンズを使う方にもおすすめです。
という遠近両用のものあり、ベースカーブも大丈夫そうなので、どちらを選んでいいのか、違いはなんなのか、そもそも、今使用しているビューサポートはイードフの代わりになるのか心配になってきました。
本当はイードフを使用したいですが子供が使用出来ないので困っております。
ご意見を伺えれば幸いです。
宜しくお願い致します。 tosa
1Dayピュアイードフは 「ここで」 で述べたように近視抑制についてのエビデンスが存在します。
一方、1Dayピュアマルチステージ、1Dayヴューサポートは単なる遠近両用コンタクトであり、「この記事」 でも触れましたが、エビデンス薄弱と感じられます。
特に、1Dayヴューサポートは西田先生グループにより、近視抑制効果が認められないとの(非公式)報告があったと聞き及んでおります。