過熟白内障の手術

過熟白内障の手術でも、真白白内障はまだ行けるが、褐色白内障は危険寄りの困難症例だ。

とことん手術ためらったあげく、やっぱりやろかな~、、となったような人に見られる。

なぜ難しいかというと、褐色白内障は後極部がもちのように粘着していて、chopがきかない。devide&conquerで少しづつ削ってなお、粘着したままである。しかも、後嚢が脆弱で、超音波時間はマシマシになる。

↑の CataractCoach 1382: hyper mature cataract MSICS みたくECCE風味で処理したほうがいいのかもしれん。ビデオ内では「シンスキーフックで娩出時の内皮を保護」といってる。
ただ、manual small incision cataract surgeryというが、small incisionにみえんなー。

 

↑の Mature & hypermature cataract surgery by Phacosection. Safe surgery in high myopia. では、核を半分に割ってviscoextraction気味に核娩出をおこなっっている。
ただ、Safe surgeryというが、safeにみえんなー。

パターン光凝固装置を導入しました。

従来の単発照射とちがって、連続パターン照射ができる装置です。

 

 

  • 現在のシングルショット条件:200mw、200μ、200mmSec=40mJ

    パターンショット条件:300mw(~400mw)、200μ、20mmSec × 9spots =54mJ
  • 照射パワーが同じでも、各照射時間は短く患者さんの痛みが激減する、凝固班も淡い。
  • 照射間隔も勘案し、重症例→0.5spot間隔、通常例→0.75spot間隔。

照射班のクリーピングがおこりにくく、クリーンな照射痕となる🙂

 

緑内障新規治療薬のセタネオについて

参天製薬からセタネオという新薬が発売されました。

エイベリスの進化バージョンかと思いきや、全く違くて

エイベリス セタネオ
受容体 非プロスタノイド EP2受容体作動薬 プロスタグランジン系 FP+EP3デュアル作動薬
IOL眼 禁忌(添付文書明記) 慎重投与(禁忌ではない)
CME(黄斑浮腫)リスク 比較的高い(報告あり) PG系としては低い(従来PG同等)

PAPは従来並みに発生するが、DEUSについては発売間もないため未確認らしい。が、当然発生するやろ。


従来のプロスタグランジン系薬剤と比較すると

効果順位 一般名 先発商品名(メーカー) 平均眼圧下降率 主な受容体/作用機序 主な特徴・備考
1位 ビマトプロスト ルミガン®(アッヴィ/旧アラガン) 約30〜35% FP受容体+EP1/EP3作動 最強クラス。PAP、DEUS多し。
2位 タフルプロスト タプロス®(参天製薬) 約30% FP受容体選択的作動 安定した降圧効果。防腐剤無添加タイプあり。PAP、DEUS少。
3位 セペタプロスト セタネオ®(参天製薬) 約28〜32% FP+EP3デュアル作動 新世代PG。主+副流出路に作用。副作用はPG系中間程度。
4位 ラタノプロスト キサラタン®(ファイザー) 約27〜30% FP受容体作動 初代PG。安定性・コスパ・実績No.1。ジェネリック多数。
5位 トラボプロスト トラバタンズ®(ノバルティス/旧アルコン) 約27〜30% FP受容体作動 ラタノ系に類似、やや強め。PAPが比較的多い。
6位 オミデネパグ イソプロピル エイベリス®(千寿製薬) 約25〜28% EP2受容体作動(非プロスタノイド) 色素沈着少ない美容型。IOL眼禁忌。角膜障害リスクあり。
7位 ウノプロストン イソプロピル レスキュラ®(大塚製薬) 約15〜20% EP系作用(弱) 降圧弱め。補助的薬剤。現在は使用頻度少ない。

EP3作動薬としては、ルミガンのEP3作用を進化させた薬剤といえる。


MRさん「夜間眼圧を下げることができるのがウリです!」

お伺い立てたところ、、

  • ✅「就寝中の眼圧も下がるか?」→ はい、下がるというデータはある。24時間型の薬として設計・評価されている。Santen+2PubMed+2

  • ✅「夜間に特に強いのか?」→ ラタノプロストより夜間IOPが低い傾向は出ているが、差は統計的に決定打と言えるほどではない。ResearchGate

  • ✅「臨床的な意味」→ 夜間高眼圧のコントロールを課題にしている患者さん(特に進行例や視野がまだ悪化している例)には、セタネオは“次の候補”として議論されている。

<結論>

「ルミガンほど効かさなくてもよい。PAP・DUES気になる。眼内レンズ入れてる。微妙に視野進行がある」場合が適応かな。