ICL(Implantable Collamer Lens)に関する質問が多い。
多焦点IOL(Intra Ocular Lens)と混同している方も多い。
各々、以下の通り。
| ICL | IOL(白内障手術) | IOL(屈折矯正) |
適応年齢 | 21歳~45歳 | 60歳以上 | 45歳以上 |
白内障治療&予防になるか? | × | 〇 | 〇 |
LASIKの代替となるか? | 〇 | × | △ |
遠方視力の改善 | 〇 | 〇 | 〇 |
追加的治療か? | 〇 | × | × |
What Is the Difference Between ICL and IOL? から引用。
「ICLのここが知りたい -基本から臨床まで- 2021.4月号 OCULISTA 」によると
屈折矯正手術はエキシマレーザーを使用したLASIKが中心であったが、この10年ほどでLASIKの症例数は約1/10にまで減少した。その一方でICLが急速に増加している。
LASIKでは矯正度数に限界があり、近視への戻り、ドライアイ、ハロー・グレアといった問題があるのに対して、ICLではこれらの問題点がなく、いわばLASIKの欠点を補完した手術といえるからである。
LASIKはやり直しがきかないが、ICLでは万一のトラブル時や見え方に不満がある場合には抜去すれば元に戻せるという点が、手術を受ける側の安心感にもつながっている。
上記に加え、LASIK減少は、銀座眼科事案の影響が大きいように思う。
清水公也先生が、
なぜ、ICLがLASIKのように注目されなかったのか?
形骸的であったLASIK手術のライセンス制度に比べて、ICL手術は眼科専門医、かつ学会の講習や認定手術を経てライセンスが付与される等導入のハードルが高いこともICLの普及がゆるやかであった一因かもしれない.
と述べておられることと、相通ずる。