緑内障新規治療薬のセタネオについて

参天製薬からセタネオという新薬が発売されています。

エイベリスの進化バージョンかと思いきや、全く違くて

エイベリス セタネオ
受容体 非プロスタノイド EP2受容体作動薬 プロスタグランジン系 FP+EP3デュアル作動薬
IOL眼 禁忌(添付文書明記) 慎重投与(禁忌ではない)
CME(黄斑浮腫)リスク 比較的高い(報告あり) PG系としては低い(従来PG同等)

PAPは従来並みに発生するが、DEUSについては発売間もないため未確認らしい。が、当然発生するやろ。


従来のプロスタグランジン系薬剤と比較すると

順位 一般名 先発商品名(メーカー) 平均眼圧下降率 主な受容体/作用機序 主な特徴・備考
1位 ビマトプロスト ルミガン®(アッヴィ/旧アラガン) 約30〜35% FP受容体+EP1/EP3作動 最強クラス。PAP、DEUS多し。
2位 タフルプロスト タプロス®(参天製薬) 約30% FP受容体選択的作動 安定した降圧効果。防腐剤無添加タイプあり。PAP、DEUS少。
3位 セペタプロスト セタネオ®(参天製薬) 約28〜32% FP+EP3デュアル作動 新世代PG。主+副流出路に作用。副作用はPG系中間程度。
4位 ラタノプロスト キサラタン®(ファイザー) 約27〜30% FP受容体作動 初代PG。安定性・コスパ・実績No.1。ジェネリック多数。
5位 トラボプロスト トラバタンズ®(ノバルティス/旧アルコン) 約27〜30% FP受容体作動 ラタノ系に類似、やや強め。PAPが比較的多い。
6位 オミデネパグ イソプロピル エイベリス®(千寿製薬) 約25〜28% EP2受容体作動(非プロスタノイド) 色素沈着少ない美容型。IOL眼禁忌。角膜障害リスクあり。
7位 ウノプロストン イソプロピル レスキュラ®(大塚製薬) 約15〜20% EP系作用(弱) 降圧弱め。補助的薬剤。現在は使用頻度少ない。

EP3作動薬としては、ルミガンのEP3作用を進化させた薬剤といえる。


MRさん曰く「夜間眼圧を下げることができるのがウリです!」

お伺い立てたところ、、

  • ✅「就寝中の眼圧も下がるか?」→ はい、下がるというデータはある。24時間型の薬として設計・評価されている。Santen+2PubMed+2

  • ✅「夜間に特に強いのか?」→ ラタノプロストより夜間IOPが低い傾向は出ているが、差は統計的に決定打と言えるほどではない。ResearchGate

  • ✅「臨床的な意味」→ 夜間高眼圧のコントロールを課題にしている患者さん(特に進行例や視野がまだ悪化している例)には、セタネオは“次の候補”として議論されている。

<結論>

「ルミガンほど効かさなくてもよい、PAP・DUES気になる。眼内レンズ入れてる。微妙に視野進行がある」場合、使える。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)