ミニウェル・レディの見え方について、日本語資料を入手しましたー。
夜間運転のシミュレーションは以下の通り。ハロー・グレアはほぼない。何なら単焦点レンズよりも少ないかしらん。
遠方から近方までの視力表の見え方シミュレーション。
さすがに、遠方の見え方は単焦点が一番よいかな。
今なぜ、このレンズが脚光を浴びているかについて考按する。
Sifi社からミニウェルがEDoFレンズの嚆矢として発売されたとき、巨人AMO社やALCON社も当然このレンズを研究したはず。しかし、市場投入するにあたって球面収差だけでは近見困難なので、回折格子を導入した。
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市場拡大に伴い副作用面に対する不満、すなわち光エネルギーのロスとかハログレが問題視されるようになった。
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温故知新的に球面収差onlyのミニウェルが見直された。Sifi社も近方不足は認識していたためproxaをWell Fusionとして発売した。
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意識高い系な人達が着目して盛上がってる + AMOやALCONも回折格子を持たないレンズ発売。⇐ いまここ。
適応についても、考按する。
「神経質な方、期待度が過度に高い方は避けた方がよい」である。ここから引用すると
considering a MINI WELL®, make sure you choose patients with appropriate psychological and clinical profiles. Ideally,
you’re looking for easy-going Generation X-ers, with relatively active lifestyles and realistic expectations for the surgical procedure. In addition, and critically, they should have healthy eyes – in particular a
healthy tear film and no dry eye syndrome (which is one of the main contributing factors to IOL failure).
イージーゴーイングなX世代の人たち(1960年代中盤から1970年代終盤に生まれた世代)で、活発なライフスタイル、現実的な期待度、眼疾患がない(特にドライアイがないこと)を対象者とするべきである。
しかしながら、現状このレンズを意識高く抱いてる人って、「神経質な方、期待度が過度に高い方」じゃね?と感じる。このレンズを採用するクリニック側は「自費診療」という∞リスクを負担する。患者さん側も、また然りである。
この供給サイドと需要サイドのスプレッドが、かなり開いてるので、高額な料金設定となる ⇒ ますます「期待度が過度に高い方」が対象となる、、のでは?
このスプレッドを最小化すべく、当院ではWell Fusion両眼100万円で応需します。
☞挿入動画
2022/6/14追記
輸入業者からWellFusionの追加資料。
2022/9/11追記
AMOテクニスのアイハンス眼内レンズについて │ 眼科医のブログ (tarumi.co.jp) の追記に書いたように片眼アイハンス、片眼クラリオンという呉越同舟セットが意外と好評である。Miniwell検討者も一度考慮すべきかも。
情報発信ありがとうございます!
教えて頂きたく、どうかよろしくお願い致します
①miniwell readyとproxaの素材は何でしょうか?
アクリルかとは思いますが、親水性かどうか などお教えください
②miniwell wellfusionで、レンズの素材や形状による視機能への影響で、注意点はありますか?
「親水性でカルシウム沈着」とか「疎水性はグリスニングあるが、clareonでは改善」などの記載をネット上で見たことがあり、気になります。
(白内障以外の眼病、疾患、乱視や最強度近視などはありません)
①Sifi社によると「親水性と疎水性の共重合体アクリル(Copolymer)」とのことです。
②
>「親水性でカルシウム沈着」とか「疎水性はグリスニングあるが、clareonでは改善」などの記載をネット上で見たことがあり、気になります。
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https://tarumi.co.jp/blog/index.php/2022/11/06/post-2448/より引用します。
>アルコンによるとClareonは含水率1.5%、かつてのアクリソフは含水率0.4%。「グリスニングは房水吸引によっておこるためClareonでは発生しにくくなっている」
miniwellの含水率が何%なのかは、回答がなく不明です。。
煩雑な質問でしたのに、お返事下さり、誠にありがとうございます