以前、 近視進行を遅らせるDIMSレンズ眼鏡の効果 でご紹介した際は、「日本国未承認及び今後の展開が未定で、資料提示は出来ません」だったが、MiYOSMART という名称で近日発売されるらしい。 cf. 近視抑制治療の最前線

ZeissのMyoCareとは異なるコンセプト。
現下、各眼鏡店で研修中ということなので、詳細わかれば追加報告します。
本年も🙇🏻🙇!

↑南アフリカ🐴
以前、 近視進行を遅らせるDIMSレンズ眼鏡の効果 でご紹介した際は、「日本国未承認及び今後の展開が未定で、資料提示は出来ません」だったが、MiYOSMART という名称で近日発売されるらしい。 cf. 近視抑制治療の最前線

ZeissのMyoCareとは異なるコンセプト。
現下、各眼鏡店で研修中ということなので、詳細わかれば追加報告します。
本年も🙇🏻🙇!

↑南アフリカ🐴
以前、デフォーカス組み込み型の近視抑制コンタクトレンズ としてクーパービジョンMiSightを紹介しました。
未承認レンズであり、当院では同一効果のSeed Oneday PureEDoF を使用してきました。
最近、子どもの近視治療用コンタクト、国内初の薬事承認を18日審議 という記事をみたので資料請求したところ、以下2論文をいただきました。
1.A 3-year Randomized Clinical Trial of MiSight Lenses for Myopia Control – PubMed
2.Long-term Effect of Dual-focus Contact Lenses on Myopia Progression in Children- A 6-year Multicenter Clinical Trial – PubMed
1.は前回よんだ論文です。3年間MiSightを装用した効果を示しています。
治験参加者は8歳から12歳の近視児童。
治験デザインはMiSightレンズ装用者53名、プロクリアー1Day(コントロール)装用者56名。二重盲検。
結果「3年後の結果で、屈折度は 59% (−0.51 ± 0.64 D vs −1.24 ± 0.61 D) =0.73D、眼軸長は52% (0.30 ± 0.27 mm vs 0.62 ± 0.30 mm) =0.32mm抑制された。
2.は1.のフォローアップ論文。つまり、4年目から6年目までを経過観察し判定したものです。
3年間MiSightを装用し、引き続き3年間(合計6年間)も装用したグループでは、近視進行の抑制は保たれた。
3年間MiSightを装用せず、4年目から装用に転じたグループでは、未装用だった3年間と比べて71%眼軸長の伸長が抑制された。
担当者談「承認は取ったが、発売については1年くらいはかかるかもしれない」
大阪大学 後藤聡先生の話でした。 2025/6/28 第7回日本近視学会総会@コングレスクエアグラングリーン大阪
感想:切開方法よりも角膜への刺入部位がpointではないかな。近視眼はearly perforate気味になりやすいが、前房は深いので虹彩脱出しにくい。遠視眼+αブロッカー内服の方が要注。CCCは、接子が立ち気味でやりにくい。逆瞳孔ブロックはよくあるが、急に深くなるのは心臓に悪い。ブロック解除より、まずボトル下げるべし。

左:Argos+BarrettⅡ 真ん中:Argos+BarrettTrueAL 右:IOLマスター+BarrettⅡ
ArgosとBarrettTrueALを併用するとグループ内変動係数が低く、測定精度が高いといいたい様子。
☞ 新々計算式はAI準拠らしい。 ちょっと前まで、RayTracing準拠の計算式とかよく言ってたような気がする。
☞ 同フロアで日本眼科AI学会総会も開かれてました。
筑波大学医学医療系眼科 准教授 平岡孝浩先生の講演でした。@ 第75回神戸臨床懇話会
●デフォーカス理論によるもの:周辺網膜の遠視性フォーカス(フォーカスが網膜より後ろ)が良くない。そのため周辺部を近視性デフォーカスにする。
●コントラスト理論によるもの:網膜における強いコントラスト信号が眼軸長過伸展のトリガーとなっており、逆にコントラストを低減させる眼鏡を装用すれば近視進行を抑制できる。
参天製薬の「近視進行抑制剤」に注目が集まる理由 国内で初承認
をみつけ、参天製薬に問い合わせたところ、
現在発売時期なども未定の中なので提供できる資料などが非常に乏しい状態でございます。参天+アトロピンでの論文となると現状下記の一報のみとなります。
光干渉断層撮影法と眼底写真によるアトロピン応答を予測する近視イメージングバイオマーカー
要約は、
アトロピン点眼が眼軸長延長の抑制効果を予測するには、「OCT所見のGCL+(≒GCC)、眼底写真のRGBのうちR要素」と相関があった。
この論点は初見だな。今後、アトロピン点眼を処方するときに有用かも。
この点眼薬の特徴は
☞ 当院では0.01%、0.025%、0.05%を調剤しています。全部250円ですが使いきりではないです。
BHVIから5/13~5/19は近視予防啓蒙週間ですとのお知らせがあり、関連記事を読みました。
以前はやや怪しい印象を持っていたred light治療でしたが、注目を浴びつつある印象です。
1日2回、3分間赤色光を見るだけなので親子にとって望ましい選択肢になりうる。
懸念すべき点は
1.長期にわたる安全性が担保されていない。
2.どのような機序によって、近視抑制ができているのかが解明されていない。
「有効な近視抑制手段かどうかについては、さらなる研究が必須」という結論でした。
私的感想
日本の眼科2025 p.254~から引用します。
近視治療の代表的なものとしてはOrthokeratology、低濃度アトロピン点眼、多焦点コンタクトレンズ、累進レンズ眼鏡などがある。
この中で安全性からいえば眼鏡によるものが一番と思われるが、従来Orthokeratologyやアトロピン点眼と比べるとその効果は弱いとされていた。数年前からHOYA株式会社ビジョンケア部と香港理工大学が開発したDIMS(Defocus lncorporated Multiple Segments)レンズという近視進行抑制眼鏡が海外で臨床試験され効果が報告されている。
この新しい眼鏡について調べたところ、DIMS群と単焦点群で
以上から
「DIMSレンズ眼鏡は、近視が弱いうちに装用すると効果がある」と結論付けています。
以前にも述べたようにDIMS眼鏡はビミョーな印象もあるけれども、簡便性ゆえに相変わらず研究が続けられているようですね。
上記のレンズは日本では未発売ということなのでHOYAさんに聞いて、ここで報告します。
2024/6/19追記
上記の件について、HOYAから以下のように教えていただきました。
日本国未承認及び今後の展開が未定であると言うことで具体的な資料の提示は出来ません。ただし、既に、海外で展開している内容がインターネットに出ておりますのでご案内させて頂きます。
Miyosmart _ HOYA Vision Care
https://www.hoyavision.com/vision-products/miyosmart/
HOYAビジョンケアが世界初のメガネレンズ「MiYOSMART」の6年間の追跡臨床研究結果を発表
https://kyodonewsprwire.jp/release/202205060845
HOYA ビジョンケアが欧州での「 MiYOSMART 」の 1 年間の研究結果を発表
https://kyodonewsprwire.jp/release/202310312068
特集:近視 Defocus Incorporated Multiple Segments (DIMS) 眼鏡レンズ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpnjvissci/40/4/40_40.99/_pdf/-char/ja
小児における近視抑制治療の最前線(平岡 孝浩) 記事一覧 医学界新聞 医学書院
https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2022/3480_04
日経新聞に目薬で近視の進行抑制という記事が掲載されました。
アトロピンやクロセチンとは異なる機序の新薬を、坪田先生とロート製薬が共同研究しているという内容。
ロート製薬に問い合わせ、下記のScleral PERK and ATF6 as targets of myopic axial elongation of mouse eyesを教えていただきました。
マウス実験で
endoplasmic reticulum(ER) stress(※)↑→ PERK and ATF6系の活性↑→眼軸長↑
⇩
4-phenylbutyric acid (4-PBA)投与→endoplasmic reticulum(ER) stress↓→眼軸長↓
⇩
4-phenylbutyric acid (4-PBA)は、近視治療に有望である。
と、いうのが2022/10発表の論文骨子である。
この度、国内第I相臨床試験(以下、「本試験」)に向けての準備が整いましたので、本試験を開始いたします。
と、いうのが2023/11発表の記事である。
坪田先生はベンチャー経営されているだけあって、動きが速いなと感心する。
ただ、violet lightといい、意外と実用化に時間かかる感じでありましょうか。
(※)小胞体の中に、折り畳み不全のタンパク質が蓄積したときに認められる状態のことをendoplasmic reticulum(ER) stressといい、4-phenylbutyric acid (4-PBA)は、この折り畳み不全タンパク質が正しく折りたたむのを手助けするchaperone(介添え人)として働くらしい💦

この研究によると、
高度近視のオッズ比、高いな。
近視児の両親に「タバコ吸ってませんね?」と確認せねば、、である。
京都府立医大 稗田牧先生のご講演@兵庫県眼科医会特別講演
色々と目新しいことを、聴けました。
動物実験では、ぼやけが強い(≒高次収差が強い)ほど眼軸長が延長する。しかし、近視矯正手段であるタオルソケラトロジー、多焦点CL,アトロピン点眼はいずれもぼやけが強くなる手段である。つまり、動物実験と臨床経験が矛盾する。
これについては「中央網膜では高次収差が少なく、周辺網膜では高次収差が多いほうが近視抑制に働くのではないか?」と稗田先生ご自身は想定しているとのことでした。
●Lens induced myopia
過矯正眼鏡が近視を進めることは、臨床経験上知られてきた。
今では、これは論文レベルで根拠がある。
●正視眼と近視眼の違い
正視眼のひとにプラスレンズを挿入すると、45分程度で眼軸長が短縮する!ところが、近視眼の人にプラスレンズを入れると眼軸長が延長する。
従って、近視では低矯正眼鏡であっても眼軸長延長の可能性がある。
近視は眼軸長の調節機序が働かず、眼軸長が伸びる一方という疾患なのかもしれない。
●アトロピン点眼の有効性について
日本人を対象とした研究では、0.01%アトロピンの点眼の有効性が、他国人(≒欧州人、シンガポール人)よりも出にくい。
なぜなのかを研究したところ、日本人は他国人よりも薄暮時の瞳孔径が大きいことが判明した。
すなわち、交感神経が優位気味だとアトロピンが効きにくにいということ。
●アトロピン点眼の濃度依存性
いままでは、アトロピンは濃度依存性にきくとされてきた(LAMP study)
2023年の米国発表では0.01%には効果があったが、0.025%では効果がなかった由。
●アトロピン点眼の近視予防効果
0.05%アトロピンを近視になる前に点眼すると、近視発症予防効果があることが判明した。