参天製薬からアトロピン点眼「リジュセアミニ点眼液」が発売されます。

参天製薬の「近視進行抑制剤」に注目が集まる理由 国内で初承認
をみつけ、参天製薬に問い合わせたところ、

現在発売時期なども未定の中なので提供できる資料などが非常に乏しい状態でございます。参天+アトロピンでの論文となると現状下記の一報のみとなります。

光干渉断層撮影法と眼底写真によるアトロピン応答を予測する近視イメージングバイオマーカー 

要約は、

アトロピン点眼が眼軸長延長の抑制効果を予測するには、「OCT所見のGCL+(≒GCC)、眼底写真のRGBのうちR要素」と相関があった。

この論点は初見だな。今後、アトロピン点眼を処方するときに有用かも。


この点眼薬の特徴は

  • 濃度は0.25%である。学童の近視進行抑制2023 – 眼科医のブログ で述べたように「日本人を対象とした研究では、0.01%アトロピンの点眼の有効性が、他国人(≒欧州人、シンガポール人)よりも出にくい。」ことがあるのかもしれない。
  • 使いきりである。:マイオピンとの差別化かな。
  • 費用:自費診療で、4千円/月らしい。従来品はこちら

☞ 当院では0.01%、0.025%、0.05%を調剤しています。全部250円ですが使いきりではないです。

電子処方箋対応(市販モジュール編)

厚労省は「オンライン資格認証の次は電子処方箋」というが、自力ベンダーにとって実施は困難を極める。


1.オンライン資格認証の場合は、機器を手順書通りに設定すればxmlが受信できた。IPv6とかルータの設定がややこしいくらい。

2.電子処方箋の場合は、自分で処方箋データをxml化して送信するので、設計仕様書や他人作のxmlを解読する必要がある。

3.電子処方箋署名モジュールを自作するならRSA暗号、PKI、OpenSSLなど理解・把握したうえでコーディングする必要がある。


オンライン資格確認と違って、ほとんど事例が見当たらぬ。
ホンマにできるんかぃな?!
ヤだけどORCA使うか😥。。と思って調べると

どうやら、ORCAも電子処方箋署名モジュールは外注しているらしい。厚労省も業者紹介してる。

「なぁ~んだ」と思って、各業者に問い合わせたら、ほぼ以下の返答の如し。

署名サービスの販売は、電子カルテ・レセコンの開発・SIベンダー様に対して販売をしております。
そのため、貴社に導入されています電子カルテまたはレセコンベンダー様に導入のお問い合わせを頂きたくよろしくお願いします。

自力ベンダー相手だと、サポートで割合わんのだろう。
かろうじて、以下3社のみ提供してくれそうだと判明。

 

言語 価格 感想 対応
A社 java 6K/y サブスク exeにcsvファイルの引数を渡せば、署名付きxmlを返してくれる 質問には一応答えてくれる様子。ドキュメントが充実している。
B社 22k買切 dll型式で取り込み可能 WebORCAを自力実装した人にのみ売ってくれる。個人対象のサポートは一切ない。
C社 C++ 16K位買切 試用したがエラー発生。謎 秘密保持契約書まで結んだが、自力ベンダーだというと、引かれてしまった。

ここで、A社製品をググって、電子処方箋 導入記  をみつけた。
この先生は、黎明期の紙の電子処方箋時代から取り組んでおられる由で、小生質問にも丁寧にご返答いただきました。
直接お会いしたことはないものの、自作カルテの先達と感じ入っております。改めて、御礼申し上げます。


勝手連的に記事をまとめると

1.確定前電子処方箋xml

  • 院内カルテのcsv処方箋を、電子処方箋管理サービス記録条件仕様_処方編一般処方名マスタ用法マスタ に従って作成する。
  • 文末の改行は\nにする。
  • 電子署名処方箋モジュールに渡す。
  • 得られた電子署名付き処方箋xmlをBase64でエンコードして、PrescriptionInfoというxmlエレメントにいれる。
  • 必要なxmlエレメントを上下付加する。
  • ファイル名は EPSsiPIR01req_xxxxxxxxxxxx.xml ( xxxxxxxxxxxxは12~ 20桁の数字アルファベット)

2.重複チェックxml

  • 1と大筋同じ。
  • ファイル名は EPSsiDMP02req_xxxxxxxxxxxx.xml

3.PDF要求xml

  • 1.のresで帰ってきたPrescriptionIDを挿入する。
  • ファイル名は EPSsiPIR06req__xxxxxxxxxxxx.xml

reqフォルダに上記のreq xmlを置くと、resフォルダに返答がかえってくる。
resエラー時には、医療機関等ONSサービスデスクに問い合わせると教えてくれることがある。(ただし、放置のこと甚だ多し)


とりあえず、上記手順で成功したので、まずは一安心の二歩手前。
次は、電子処方箋署名モジュールを自作してみる。

2025年のご挨拶

本年もよろしくお願い申し上げます。🐍

今年は、電子処方箋対応で忙しすぎたため、ブログ更新もままならずだった。

HPKIカード本体でやる方は目星立ったが、ICカードの供給が遅れているためセカンドカードしかもらえてない。こっちは未明のまま。

今年は、クリニック運営に関しては今まで以上に、白内障術後の乱視軽減、モノビジョンのご提案を促進していく。

近視矯正については今年こそ、眼軸長ソフトを発行したいと考えています。

Local LLMを使って、個々人用のMT用紙を作成とかも夢想してます。

 

「標準型電子カルテ」について

政府主導の「標準型電子カルテ」が2026年から本格稼働するらしい。

現在各社バラバラの電子カルテを標準化し、2030年頃までに全国の医療機関に導入される予定とのこと。

 

いつもながら情報の提供が保守的で、専業ベンダーなら対応できるんだろうが、自作カルテ業者にはキツいものがある。
オープンソース化とかできないのかな?

 

 

多焦点眼内レンズのシミュレータ2

Johnson&JohnsonからAR Eyeというアプリがリリースされました。

「AREye」は、拡張現実(AR)の技術を用い、白内障の術前・術後の見え方を擬似体験できま丸スマートフォンのカメラを通して現実の風景をもとにバーチャルな映像を再現。白内障の方だけでなく、ご家族が白内障の不自由さを体験し理解を深めることにも役立ちます。

 

当院でも、多焦点レンズを希望する患者さんには体験してもらうことにしています。

☞ハロー・グレアが若干強めに出るような設定にしてるとのことでした。

京都QuolityOfVision向上研究会を受講しました。

ビッセン宮島先生のお話が聞けるというので受講しました。

トーリックレンズの話

  • 手術後の残余乱視は0.5D以下を目指す。
  • 直乱視を残したほうが偽調節が働くということはない。調節が働く要因は小瞳孔と角膜のmutifocalityである。
  • 日本ではトーリックレンズの採用率が1割程度。これは仕入価が高い+術前術中の操作が面倒なため。残余乱視≦0.5Dを目指すなら半分以上がトーリックとなるべき。

☞当院では半数弱がトーリックレンズ挿入しています

Odysseyの話

  • 回折格子形状がちがう。詳細な話はなかったです。

  • 術後オートレフ値はマイナスにでる。ので、自覚視力測定が大事である。Vivityもその傾向あり。
  • SynergyはFirstPositiveだったが、FirstNegativeを選択する。ここで担当さんが言ってた話。

  • デフォーカス曲線が-0.5D~+0.5Dまでほぼ直線である!そのためtargetずれに強い。

アイハンスVivityの項でも書いたが、デフォーカス曲線のFar平坦化は今後トレンドになるんでは?

 

HOYAの多焦点レンズVivinexについて

HOYAから多焦点レンズVivinexが発売されている。

PanOptix対抗だが違いは

  1. 回折格子の範囲が3.2mmである。PanOptixは4.5mm。したがって夜間運転時(瞳が散大する時)、グレハロが少ない。
  2. 中間が+1.75D、近見が+3.5D加入である。PanOptixは中間+2.17D、近見+3.25D。したがって近見が強い。

後発なので、ライバル社の欠点を消しに来てる印象。

A:PanOptix B:Synergy C:FineVision D:Vivity

当院でも、オプションとしてご説明の上、御希望の方には適用する予定です。

 

PhacoChop手法について

1.Horizontal chop

日本の術者のビデオをみると、horizontal chopを行っている場合が多い。僕もhorizontal派だ。

M -1112 中京式スパーテル(INAMI) (youtube.com)

Where do you place the probe to facilitate phaco chop cataract surgery? (youtube.com)  1:40~

phacoprobe just inside the sub incisional rhexis aimed toward the optic nerve not in the center of nucleus

2.Vertical Chop

海外の術者はvertical chopを採用している人も多い。

Routine Cataract Surgery – Vertical Chop Technique with Step-By-Step Narration | John Welling, MD (youtube.com) 3:24~

 

3.Horizontal vs Vertical

CRSTG | Europe Edition | The Basics of Phaco Chop Techniques (crstodayeurope.com) から抜粋。

Horizontal :Additionally, the very end of the tip must be dull, or even oliveshaped, to protect the capsular bag.

Vertical:in contrast to the dull distal end of a horizontal chopper, the end of a vertical chopper must be sharp to penetrate the nucleus easily.

horizontalの方は先が丸いものを使うことが、vertical chopperは先が鋭利なものを使う。これは手法の違いを見れば明らかだ。

———————–

UltraChopperなるものもあるらしい。→CataractCoach™ 2286: resident ultra chopper case (youtube.com)

が、使うのは怖いな。


2024/10/13追記

Vertical Chopは核がある程度やわらかくないと不可。ので、Horizontalの方が汎用性がある。手法が普及しているのには理由があるってこと。

参天 保険適用老視矯正IOLによる白内障手術レベルアップ

当院でアイハンスでミニモノビジョンをしてますが、これを参天のレンティスコンフォートで行うというお話でした。

どのような患者さんを適応とするかについては

1.患者さんの意向

2.多焦点にしたいが、費用を気にしている場合。

ということで当院と同じ。

ターゲットは-0.5-から-1.0Dですが、FEST法のような度数同定はしていない感じでした。

広田眼科の廣田篤先生によると、

トーリックレンズは

直乱視1.5D以上ならいれる。
倒乱視0.75D以上ならいれる

当院は-0.75D以上なら、直、倒にかかわらず挿入しています。

 

 

ホームページを更新しました。

初代HPは2001年に公開しました。

マイクロソフト全盛期で、WindowsXPが発売された年。

嫁さんにホームページビルダーで作ってもらった。

みんな、アクセスカウンター付けてたな。

 

二代目は2010年頃で、HP制作会社に外注しました。

Flashを多用した目まぐるしい動きで、当時の流行り。

FlashもSilverLightも今やディスコンです。

 

三代目は2012年頃で、院内予約システムと統合する目的で自作しました。

当初WebForm使ってポトペタしてたんだけど、SEOに対応すべくMVCで作るべしみたいな風潮になり、MVCパターンを導入しました。

 


これで10年以上運営してたんですが、ややカビ臭が、、、

どーやら、

  • 今時のHPは2カラム、3カラムを採用しない。1カラムで、mobile first !
  • 他院HPのソース見るとcssやjqueryをメガ盛りしてる。

そこで、モダ~ンでresponsiveなHPに改編すべく、書き直しました。

👉他院HPから🍽️ってた地図も差し替えました。🙇🏻‍♂️🙇‍♂️🙇🏾‍♂️


ところが、もうjqueryは古いらしい!

VueとかReactとかいうjavascript frameworkが主流で、MVCも時代遅れで、SPAがトレンドとのこと。

javascriptを一切使わずC#だけで書くBlazorなる新技術もあるらしい。

 

なんかDead on Arrivalかもーだけど、とっても時間がある日が来れば、再改修するかもしれません。