日本眼科医会の啓発コンテンツです。
本会では、文部科学省によるGIGAスクール構想にあわせ、1人1台デジタル端末を利用する子どもたちのために、目の健康啓発マンガ 『ギガっこ デジたん!』のポスターとリーフレットを企画制作しました。


作画がいい。誰が書いてるんだろう。

↑のyutube動画の声優さんもいい声だ。内容は、もちろんPolitically and Medically Correct
しかし、「ギガっこデジたん!」って命名は、、どうなんだろう。。
日本眼科医会の啓発コンテンツです。
本会では、文部科学省によるGIGAスクール構想にあわせ、1人1台デジタル端末を利用する子どもたちのために、目の健康啓発マンガ 『ギガっこ デジたん!』のポスターとリーフレットを企画制作しました。
作画がいい。誰が書いてるんだろう。
↑のyutube動画の声優さんもいい声だ。内容は、もちろんPolitically and Medically Correct
しかし、「ギガっこデジたん!」って命名は、、どうなんだろう。。
J&Jから アレルケア という名称のコンタクトレンズが今秋発売される。このコンタクトレンズはHEMA素材にケトフェチン、つまり、ザジテンを浸透させている。この発表文書を読む限りにおいては、日本で世界に先駆けて承認されたようであるが、日本語での情報はまだない。
コンタクトレンズをしている患者さんで、アレルギー症状を訴える人は非常に多く、「使用していてレンズが曇る」「一日もたない」「目が充血する」という人は実に多い。
従来、そういう人に対しては、抗アレルギー剤の点眼薬を処方してきたが、このレンズを処方すれば、点眼不要となるかもしれない。
そして、ザジテンを浸透させたdrug delivery lensが承認されるなら、緑内障治療薬をコンタクトレンズに浸透させたレンズも承認されるかもしれない。そうなれば、緑内障治療も根本的に変革されるであろう。
以前に告知していた、オルソケラトロジーのブレスオーコレクトを導入しました。
従来、当院で使用してきたオルソKレンズは、歴史が長く、その分多くの処方テクニックが蓄積されています。一方、フィッティングに職人技的な調整が必要となることがあり、敏感な患者さんの場合にはどうしてもあわないことがあることがありました。
一方、このブレスオーコレクトは
「レンズやわらかいので破損しにくい。日本製の為、日本人の目に合う」
レンズ処方の計算を瞬時に行うプログラムを搭載したタブレット型端末「フィッティングマスター」により、何度もレンズ試着を行うことなく、高い確率でベストなレンズを算出することが可能です。
というのが売り文句であり、職人技や技術知に頼らず処方することができるかもしれない。
今までは、定額制がなかったため、導入をためらっていたが、この度同様に定額制が導入されたので本格的に採用としました。
ただし、一括払い制、定額制ともに若干高価で、交換条件もややきついかな?
オルソKはメニコンというメルスプランというサブスクプランに通じているメーカと組んでいる点、少し有利かもしれない。対して、ブレスオーコレクトの取り扱いは、シード社である。
親子で学ぶ近視サイトは、子供にも理解できるような工夫がされていて、しかも、学術的に矛盾がないようにかかれている。
このなかで、しりょくけんさ は、視力表をA4紙に印刷して自宅で視力検査ができるので、お勧めである。
近視の抑制・治療 の頁に書かれてあることは、以前このブログで紹介したことと同一。
「多焦点ソフトコンタクトレンズによる予防」はよく言及されていて、すぐにでも使えそうに書いてあるが、実際にはハードルが高い。それは多焦点レンズは、日本国内では正式認可されておらず、個人輸入しなくてはならないからである。その場合、レンズの度数が合わなかったら、再々輸入、再々々輸入となって不便なこと、この上ない。
一日も早く、DIMSレンズが正式認可さされることを願う。その場合、アトロピン点眼、オルソケラトロジー以外に大きな治療の柱ができるので、近視患者さんへのメリットは大きいと思う。
男女混合ダブルスの準々決勝で、歯を食いしばって「ぅあ’~」と叫びつつスマッシュを決めてる姿には感動する。
僕は軟式テニスしてたので、決まった時に「よっしゃー」とか、「うちこんでけ~!」というのはよく分かる。卓球ダブルスは軟テと通じるところがあると感じる次第だ。
閑話休題
「水谷選手がLEDがまぶしい」「眩しさを軽減するサングラスをかけている」と仄聞する。これは、「LASIK後の高次元収差発生によるハロー現象」と眼科医なら考えるだろう。「LASIK後の検診では全く問題ない」と言われたというが、LASIK後数年で視力が出ていても、「何か見えにくい」「かすむ」という人は実際よくある。
極々軽度のサハラ砂漠症候群が発生してるのだと思う。卓球選手は高度の動体視力が必要とされるようであるから、臨床的に「問題なし」であっても、卓球的には「大いに問題あり」となるんだろう。
タイガーウッズがLASIKを受けたということでゴルフ選手間でも流行したが、最近は以前ほど聞かなくなってきていると感じる。水谷選手もオルソケラトロジーにしておけばよかったのでは?
「ブルーライトをカットする眼鏡は目に良いですか?」とよく言われるが、はっきりとしたエビデンスはないようです。
日本眼科医会の見解は以下の通りです。
眼鏡やPC業界のトークに乗せられないようにする必要がありますかねー。
[1].綾木雅彦、他.住宅照明中のブルーライトが体内時計と睡眠覚醒に与える影響.住総研研究論文集 2016;42:85-95https://www.jstage.jst.go.jp/article/jusokenronbun/42/0/42_1408/_pdf/-char/ja
[2].Duarte IA, et al. Ultraviolet radiation emitted by lamps, TVs, tablets and computers: are there risks for the population? An Bras Dermatol 2015;90:595–597
[3].Eppenberger LS, et al. The role of time exposed to outdoor light for myopia prevalence and progression: A literature review. Clin Ophthalmol 2020;14:1875-1890
[4].American Academy of Ophthalmology. Should You Be Worried About Blue Light?https://www.aao.org/eye-health/tips-prevention/should-you-be-worried-about-blue-light (参照2021-04-12).
[5].Singh S, et al. Do blue-blocking lenses reduce eye strain from extended screen time? A doublemasked, randomized controlled trial. Am J Ophthalmol, doi: 10.1016/j.ajo.2021.02.010. Online ahead of printhttps://www.ajo.com/article/S0002-9394(21)00072-6/abstract
[6].Lowden A, et al. Working Time Society consensus statements: Evidence based interventions using light to improve circadian adaptation to working hours. Ind Health 2019;57:213–227https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6449639
Voluntary Exercise Suppresses Choroidal Neovascularization in Mice が原文です。
tldrで表示します。
マウスの新生血管に対する自発運動の影響を調べた。
予め4週間、マウスを回転ホイール付きのケージと、ホイールなしのケージに入れておいた。各グループに対して、レーザーで新生血管を作った後、どの程度回復するのかを見た。
すると、回転ホイール付きのケージに入っていた運動マウスは、ホイールなしの運動なしマウスよりも新生血管の容量が45%も縮小していた。
予め運動させず、新生血管を作ってから運動しても効果はなかった。
普段から運動していると、加齢黄斑変性症に対しても効果があるということは、経験的に知られていたのですが、動物実験で示されたのは初めということです。
Let’s get physical(exercise)!
ボシュロムメダリスト2(HEMA素材)とボシュロムアクアロックス(シリコンハイドロゲル素材)を比較します。
ボシュロムメダリスト2(HEMA素材) 2500円
ボシュロムアクアロックス(シリコンハイドロゲル素材) 2450円
ボシュロムメダリスト2(HEMA素材) ウイダー飲むゼリーくらいの軟らかさ、フニャフニャ
ボシュロムアクアロックス(シリコンハイドロゲル素材) プッチンプリンを軟らかくした感じ、やや硬い
HEMA素材のほうが違和感は少ない気はする。
とにかく付けた直後の違和感が少しでも少ないほうがいい⇒ボシュロムメダリスト2(HEMA素材)
ドライアイ気味で長い目で見ての乾燥感を抑えたい⇒ボシュロムアクアロックス(シリコンハイドロゲル素材)
かな??
アルコンの解説が秀逸なので、そのまんま引用します。
これまでソフトコンタクトレンズに広く使用されてきた素材として「HEMA(ヘマ:ヒドロキシエチルメタクリレート)」があげられます。HEMAは水分を含ませると軟らかくなる素材で、ハードコンタクトレンズに比べて快適な装用感が得られるのがメリットです。HEMAの場合、含水率を上げることで酸素透過性が高まり、装用感も快適になるため、これまで含水率を高める工夫が施されてきました。また、より酸素透過性を高めるためにレンズの厚さを薄くする工夫も行われてきています。
こうした技術面での工夫が行われた一方、HEMAの含水率を高くするほど水分が蒸発しやすくなるため、装用中に目が乾燥しやすくなるというデメリットが出てきました。また、含水率を上げて酸素透過性を高めても水の酸素透過性を超えることはできないという限界もあります。
HEMAが抱えてきた問題点を克服できる素材として注目を集めているのが、シリコーンハイドロゲル素材です。シリコーンハイドロゲルは低含水率でありながら、きわめて高い酸素透過性を実現する素材です。水よりも高い酸素透過性が確保できるため、従来の素材と比較して目の負担を軽減できるのが特徴です。高い酸素透過性を実現できたことで、これまでコンタクトレンズで問題となってきた角膜の角膜内皮細胞の減少などを軽減する効果が期待されています。
また、シリコーンハイドロゲル素材は含水率が低いため、レンズの装用中に目が乾燥しにくいのもメリットといえるでしょう。その一方で、シリコーンハイドロゲル素材にも課題があります。HEMAと比較して含水率が低く、堅さがある素材であるため、つけ心地を向上させる技術開発が行われています。
中橋コンタクトで扱っているコンタクトを、HEMA素材のものと、シリコンハイドロゲル素材のもので分類しています。
HEMA素材 | シリコンハイドロゲル素材 |
J&J 1Dモイスト | J&J 1Dトゥルーアイ |
J&J 1Dモイスト乱視 | J&J 1Dオアシス |
ボシュロム 1Dプラス | J&J 1Dオアシス乱視 |
ボシュロム 1Dトーリック | ボシュロム 1Dアクアロックス |
ボシュロム 1Dバイオトゥルー | アルコン デイリーズトータルワン |
ボシュロム 1Dバイオトゥルー乱視 | アルコン プレシジョンワン |
アルコン デイリーズアクティブ35 | アルコン デイリーズトータルワン遠近 |
アルコン デイリーズコンフォート | クーパー クラリティ |
アルコン デイリーズアクア | クーパー マイディ |
アルコン デイリーズコンフォートTC | メニコン 1Dプレミオ |
クーパー ワンデー バイオメディックスEV | J&J 2Wオアシス |
クーパー プロクリア | J&J 2Wスマート調光 |
クーパー ワンデー バイオメディックスEV乱視 | J&J オアシストーリック |
メニコン 1D | ボシュロム FFCM |
メニコン 1DMagic | ボシュロム 2Wアクアロックス |
メニコン 1Dトーリック | ボシュロム FFCMトーリック |
J&J 2W | アルコン エアオプティクスアクア |
ボシュロム メダリスト | アルコン エアオプティクストーリック |
ボシュロム メダリスト2 | アルコン エアオプEX |
ボシュロム メダリストトーリック | クーパーバイオフィニティ |
メニコン メルス マンスウェア | クーパーバイオフィニティXR |
メニコン メルス マンストーリック | メニコン プレミオ |
J&J 1DFMA[クロ] | メニコン プレミオトーリック |
J&J 1DFMV[チャ] | アルコン カラーズ[グリーン] |
J&J 1DFMN[ナチュラルシャイン] | アルコン カラーズ[グレー] |
J&J 1DFMB[ラディブライト] | アルコン カラーズ[ブルー] |
J&J 1DFMC[ラディチャーム] | アルコン ブライト[ブラウン] |
J&J 1DFMS[ラディスウィート] | アルコン ブライト[ピュアヘーゼル] |
J&J 1DFMCI[シック] | アルコン エアオプティクス遠近 |
ボシュロム 1Dナチュレール黒 | クーパーバイオフィニティマルチフォーカル |
ボシュロム 1Dナチュレール茶 | メニコン 遠近2W |
アルコン ディリーズイルミネート[ゴールド] | |
アルコン ディリーズイルミネート[Dブラック] | |
J&J 2WDFV[チャ] | |
J&J 1DモイストMF | |
ボシュロム マルチフォーカル | |
ボシュロム 1Dバイオトゥルー遠近 | |
アルコン ディリーズコンフォートMF | |
クーパー プロクリアマルチ | |
メニコン デュオ | |
メニコン ソフトS | |
メニコン ソフト72 | |
メニコン トーリック72 |
こうしてみてみると「昔の名前で出ています」的なのがHEMA素材で、「New kids on the blockな名前」はシリコンハイドロゲル素材とうかがえます。
コンタクト装用者でドライアイ傾向の方は、シリコンハイドロゲル素材のCLの方がよいでしょうね。。
Dopamine signaling and myopia development: What are the key challengesが元論文です。いろいろな論文を総覧したメタアナリシス論文です。
ドーパミンというと、パーキンソン病で低下し、幸福感と関係する重要な脳内トランスミッターという文脈で語られることが多いです。
そのドーパミンが、網膜内においては眼軸長伸長を防止しているというので、やや驚きました。
以下に要約を示します。
Retinal DA, released in response to light, is a stop signal for homeostatic control of myopic eye growth.
光に反応して放出される網膜内ドーパミンは、近視の眼伸長の調整過程における停止信号である。
If DA levels and/or signaling are decreased during myopic eye growth, then increasing DA levels or DA receptor activity would be predicted to prevent myopia.
もし、ドパミンレベルやドパミンシグナルが近視眼軸長伸長で減少してるのであれば、ドパミンレベルやレセプター活性が近視抑制を予測するであろう。
These observations suggest that a pharmacological approach to the treatment of myopia may be more efficacious than an environmental intervention.
以上の観察より、近視治療の薬物的手法が環境要因の介入(訳注:明るい太陽光などを浴びることを意味している)よりも有用かもしれないと示唆される。
In general, these studies show that activation of D2-like receptors by subconjunctival or intravitreal agonist injection mimics the protective effect of periods of unobstructed vision on FDM.
一般的に言って、これらの研究から、ドパミン2レセプターを結膜下あるいは硝子体内にドパミン作動薬を注入することによって、FDM(form deprivation myopia,形態覚遮断近視,視性刺激遮断近視)の非遮蔽眼と同様の防御効果がえられることを示している。
From a therapeutic perspective, local administration of apomorphine (APO) and DA by eye drops may achieve therapeutic effects on myopia, with reduced systemic side effects.
治療的観点からすると、アポモルフィンやドパミンの点眼によって、全身副作用を抑えつつ、近視治療効果を上げることができるかもしれない。
Furthermore, bi-phasic effects have been reported for APO and the D2-like agonist quinpirole on control of myopia: high doses of APO inhibit FDM, while low doses promote FDM in guinea pigs (Jiang et al., 2014b); in contrast, quinpirole inhibits myopia at low doses and promotes myopia at high doses in C57/BL6 mice (Zhou, unpublished data)
さらに言うと、アポモルフィンやD2関連作動薬クインピロールの近視に対する影響は二相性がある。高容量アポモルフィンはモルモットにおける視性刺激遮断近視を抑制するが、低用量だと逆に促進する。一方で、クインピロールはマウスの近視を低用量では抑制するが、高容量では促進する。
坪井先生が提唱する「バイオレットライトが近視抑制に有効」というのも、網膜内ドパミンレベルを上昇させることによって効いてるのかもしれない。
緑内障治療で埋め込み型徐放性薬剤デリバリーシステムが実用化されつつあるのと同様、オルソケラトロジーレンズやDIMSレンズ(デフォーカス組み込みレンズ)にドパミンアゴニストを含ませるような方式が開発されると理想的でしょうね。