日本眼科医会から「クイック・ロービジョンケアハンドブック」が発行されたので引用する。
●眼科医の一言は極めて重要
●良いムンテラのポイントは、病名はっきり、寄り添う
一言、前向きな表現
●情報提供が重要
要点は、視力予後不良な方に対して、①正確な情報提供 ②前向きな指針 ということを同時に行う必要性があるということ。
緑内障の末期であるとか、高度近視による黄斑分離症を起こしている方に対してどのような説明をするかは、常に苦慮する。正確な情報提供に重きを置きすぎると患者さんを失望させることがあり、一人の人間として心苦しい。一方で、根拠が薄い楽観論を陳述するのは、エビデンスに立脚すべき医師として忸怩たる思いもある。
患者さんの年齢、理解力、性格を勘案したうえで、①②の狭間の奈辺を得るかは、今のところAIにはできない作業であろう。開業医としてのraison d’etreなりもそこらあたりにあるやもしれない。
草枕の顰に倣えば、「知に働けば嘆かしむ、情に竿さば誤れる」といったところかしらむ。。とかくに、目医者はいきにくい。