先日のmiLoopを模擬眼で使ってみた。

ポイントは
- ハイドロをしっかり行う。
- 挿入時にはリング先をCCC縁に近づける。
- ハンドルを左に回旋させた状態を保ってリングを開く。
- リングが完全に開いてから、手前引き気味&揺らし気味にしてハンドルを右回旋させる。
米国ではそこそこ普及しているが、日本では全然ということでした。
そやろな~という感じ。
参考url
分割システム miLOOP.pdf
Hand positioning of ZEISS miLOOP – YouTube
先日のmiLoopを模擬眼で使ってみた。

ポイントは
米国ではそこそこ普及しているが、日本では全然ということでした。
そやろな~という感じ。
参考url
分割システム miLOOP.pdf
Hand positioning of ZEISS miLOOP – YouTube
当院のクレジットカード業者が仕様変更する由につき、この際キャッシュレス化を模索することにした。
複雑怪奇で、わかりにく~い部分が多々あるので、後学&備忘目的で記す。
決済代行業者に一任すれば、個別契約するより1%近く割高だが、一括処理可。
この1%が美味なのかもで、雨後筍状態である。
| STORES | sterapack | Square | Bizクレカ | Sterapack for医院 | EPARK | EPARK for医院 | USEN for医院 | ORCAMO for医院 | |
| 利用料/月 | 3300 | 3300 | |||||||
| VISA料率 | 3.24 | 2.8 | 3.25 | 2.45 | 1.5 | 3.05 | 2.2 | 1.9 | 1.5 |
| JCB料率 | 3.74 | 3.74 | 3.95 | 2.45 | 1.9 | 相談 | 相談 | 1.9 | 1.9 |
| 電子マネ料率 | 1.98 | 3.25 | 3.75 | 3.25 | 相談 | 相談 | 3.24~ | 2.53 | |
| QRコード料率 | 3.24 | 3.25 | 3.75 | 3.25 | 相談 | 相談 | 3.24~ | 1.2~ |
医療機関だったら、ORCAMO一択かな。。
参考動画 「医師会(ORCA管理機構)のカード決済サービスがお得」
2022/12/5追記
Intensityの最新情報@リッツカールトン大阪を聴いてきました。

-1次、-2次の今まで捨て置かれてた球面収差を利用することにより、3焦点+2焦点=5焦点を実現している。
そのため、光ロスが従来型レンズよりも40%少なく、93.5%の光透過率をもつ。


レンズ中央部は中間距離になっている点は、他社レンズが中央を遠方に設定している点と異なる。
ただし、瞳孔径の大きさに応じて、power配分が大きく変わる+上記の収差回収により、なだらかなdefocus曲線を獲得している。

「近見視力が他社レンズより劣る」と、えの眼科クリニック絵野亜矢子先生は提示されていましたが、ツカザキ病院野口三太郎先生によると「両眼挿入の場合には、近見における眼鏡装用率も大幅に改善する」
【感想】
この記事では、Zeptoという前嚢切開器具、miLoopという核分割器具がフェムトセカンドレーザーの代替候補として挙げられている。
miLoopについて書く。

IOLのインジェクター風の先から輪っかがでてきて、それを嚢内で回転させて核を挟み込む、という仕組みである。
手術手技が、Devide&conquerであろうと、chopであろうと、水晶体を押し込む力が発生するが、押すより引くという発想転換が欧米風でよい。
硬い核の除去に適するというのが、下の動画。
https://eyetube.net/videos/miloop-for-nucleus-fragmentation-in-hypermature-cataract
しかし、この動画では小瞳孔から実にうまく除去している。
https://eyetube.net/videos/miloop-mastered
iris retractorなしで分割し、ベンチュリーのphacotipを瞳孔中央に保持したまま処理を終えている。
したがって、汎用性があるデバイスではないか?と感じるが如何。
ニューヨークタイムズの記事です。
大雑把に意訳すると
認知症の予防薬として、目が飛び出るほど高い薬が開発されているが、ほとんど効かない。リスク要因を取り除く方が、実効性がある。
JAMA研究によれば、全リスクファクターを取り除けば62%の認知症を防げる。1.8%は視力を保つことによって防ぎうる。
以前ご紹介した、白内障手術によって、認知症が防げると同工です。
他のリスクファクターとしては
高血圧、低教育、難聴、喫煙、肥満、鬱状態、運動不足、糖尿病、社会的孤立
が挙げられています。
白内障手術で認知症を防ぐとはいっても、ある程度が進んでしまうと
となり、局所麻酔では手術が困難。しかし、家族さんは「全身麻酔は怖い」なので、結局そのままということがある。
何事にも、限度がある。
その限度は全身状態、眼局所だけではなく、認知レベルにも規定される。
お元気そうで、慶賀の至りであります。
大橋先生は不動の4番バッターと紹介されていましたが、小生的には白内障手術界の永守会長かしらん[1]
不肖、私めが、会長のご高見を以下にまとめさせて頂きます。



1.三好先生ご自身は稲盛和夫元京セラ会長を尊敬しておられ、講演内でも「本業で得られた喜びは、趣味で得られた喜びより比較にならないくらい大きい」という言葉を引用されていました。
2.眼内レンズ、コンタクトレンズには以下の二種類の製法がある。
・レースカット製法:レンズを塊から削り出す方法
・モールディング製法:鋳型にレンズを流し込んで製造する方法
レースカット製法のほうがコストはかかるが、グリスニングは生じにくい。
アルコンのレンズは(ClareonもPanOptixも)モールディング製法。AMO、NIDEKのレンズはレースカット製法。
2022/11/8追記
アルコンによるとClareonは含水率1.5%、かつてのアクリソフは含水率0.4%。「グリスニングは房水吸引によっておこるためClareonでは発生しにくくなっている」とのこと。
患者さんから近視の予防効果について質問されました。
「バイオレットライトの波長領域を選択的に透過する」とのことです。
[個人的見解]
バイオレットライトによる眼軸長伸展の抑制効果にはエビデンスがある[1]
では、「バイオレットライトの波長を選択的に透過する方が、全波長を透過させるより効果が高い」と云えるのかな?
すなわち、「タンパク質摂取は体に良い」を敷衍して、「タンパク質を選択的に摂った方が、まんべんなく食すより良き」と言えるのかな?
患者さんにお答えするには、このあたりの検討が必要とはおもう。
新生血管緑内障の患者さんを「観血的に御高療方よろしくお願い申し上げます」と大学病院に紹介した。すると、2日後に眼圧が40mmHg→20mmHg、前房出血も消失した状態で帰院された。
大学では、手術などはせず、アイリーア硝子体注射を施行しただけであり、しかもこれが著効したのである!
新生血管緑内障のVEGF治療は、欧米では2015年くらいから[1]日本では2019年前後から[2]普及した模様である。
緑内障診療ガイドライン(第5版)によると「VEGF薬の眼内投与の有効性が報告されている(エビデンスレベルC)」「手術前に抗 VEGF 薬の眼内投与を併用することで術中・術後合併症を抑制できることが報告されている(エビデンスレベルB)」なので、まずは、VEGFを打って、だめなら観血治療という流れであろう。
アイリーア以外のVEGF薬は、新生血管緑内障に対する保険病名が獲得できていない。最近、アイリーアは押され気味だが、この一点において、十分に存在意義がある。
1.Aflibercept for the treatment of neovascular glaucoma
2022/11/7追記
バイエル薬品によると「血管新生緑内障(NVG)の特許期限は2029年ごろ予定で、具体的な月日に関しては未定とのことです。後発品に関しては症例数も少なく、恐らく発売しないだろう」
「片眼に単焦点レンズを入れたが、僚眼にはミニウェル・プロクサをいれたい」という御要望があった。
そこで調べたが、結論は「無理っぽい」です。
片眼プロクサ and/or 両眼プロクサの御所望は結構多いらしい。
しかし、Sifi社は『ミニウェル・レディを優位眼に、ミニウェル・プロクサを非優位眼に入れることを「Well Fusion」と呼び、両者は補完的に働く』に拘りおる由で、プロクサを単独販売しない。
これは、優れて欧州的と云うべし。
「Well Fusion」を購入してプロクサのみ挿入する手はあろうが、コスト倍で非定型挿入というリスクが発生する。
どうしても非回析型の近方レンズを入れるなら、既存のアイハンスを入れるか、Vivity登場を待つのは如何か知らん?
診察の結果「緑内障です」
↓
「点眼をしっかりして眼圧コントロールしましょう」となった場合、100%確率で
「目を疲れさせなければ大丈夫でしょうか?」
「スマホは見ないほうが良いでしょうか?」
と、質問がある。
当院では、緑内障の日常生活注意点.pdfを説明している。
今回、Nikkeiグッディで紹介されてた「自分でできる人生が変わる緑内障の新常識」を読んでみた。
著者は、平松類先生で、Youtubeでも発信されておられる。
この本から、エビデンスレベルA、Bを抜き出すと以下の通り。
一方、Nikkeiグッディのキャッチーな見出しは、
で、いずれもレベルC、Dか、レベル表示がない項目である。
●エビデンスのレベル分類
「自分でできる人生が変わる緑内障の新常識」では、
レベルA:複数のランダム化比較試験、またはメタアナリシスで実証されたデータ
レベルB:一つのランダム化比較試験、または非ランダム化比較研究で実証されたデータ
レベルC:レベルBより劣るが、一定のデータがあるもの
レベルD:参考にとどめておく。
一方、緑内障診療ガイドライン(第5版)では、
A(強):効果の推定値に強く確信がある
B(中):効果の推定値に中程度の確信がある
C(弱):効果の推定値に対する確信は限定的である
D(非常に弱い):効果の推定値がほとんど確信できない
レベルCを「一定のデータがある」とみるか、「確信は限定的である」と読むかで、この本とNikkeiグッディ記事の印象はかなり異なる、と感じた次第。