日本の眼科[1]に、近視啓発動画「進む近視をなんとかしよう大作戦の巻」が掲載されています。
近視マンなるものを介して、近視啓蒙を行う仕立て。
近視マンは目の健康を脅かすダークヒーローですが、弱点があります。それは子供たちがデジタル端末を正しく使い、屋外活動をすること。
弱点を突けば、”近視マン”の胸にあるパワーインジケーターの目盛りが低下し最後にパワーが0になると吹き飛ばされて泣いてしまうというちょっと弱虫な面も持っています。
掲載公開Youtubeの内容は
- 電子機器類を近距離で長時間見るな。
- 屋外で2時間以上遊べ。
- 放置すると将来、病的な合併症が出る。
よくできてるので、当院の説明用紙にもQRコードをはる予定です。

1.日本の眼科 93:6号(2022) p.740
近視抑制の動画のご紹介、ありがとうございます。子供が小3ですでに-3d以上の近視で、近視を進めないために努力しており、とても参考になります。
本件とは直接関係ないのですが、オルソケラトロジーのことで、専門医の先生にお伺いしたいことがあります。
メニコンのオルソK使用を昨年10月より半年ほど続け、視力も出て何の問題もなかったのですが、今年3月に花粉症でつけたりつけなかったりの時期が続き、ようやく落ち着いた矢先の5月上旬から目やにが出始めました。
受診したところ、まぶたの裏にブツブツができており、コンタクトレンズアレルギーとのことで、抗アレルギー点眼薬を処方されたのですが改善せず悪化し、オルソ使用中止してステロイド点眼薬を併用、現在3週間ほどで右目のみ若干プチプチしていますが、改善しています。
先生からは、基本的にこの症状が出たら使用継続はすすめられないと言われてしまいました。
正直、諦めきれないのですが、たとえばコンタクトレンズの汚れの程度によるもの、少し時間を置いて再挑戦(春などアレルギーが出やすい時期など避けて?)などの可能性はないものでしょうか?ちなみにすべて先生には聞きましたが、なにを聞いてもすすめられないということでしたので、もしかしたらあまり症例がないのかとも思っています。
お忙しいところ大変申し訳ないのですが、自分で調べてもわからず、何か情報があればと。どうぞよろしくお願いいたします。
以下、当院での臨床判断となりますが、ご参考としてください。
>先生からは、基本的にこの症状が出たら使用継続はすすめられないと言われてしまいました。
アレルギー反応が出た場合に、装用継続が可能かどうかは
①他覚的所見としては、角膜上皮の状態
②自覚的所見としては、痒み、痛み、眼脂の程度
が重要だと考えています。
>なみにすべて先生には聞きましたが、なにを聞いてもすすめられないということでしたので、もしかしたらあまり症例がないのかとも思っています。
コンタクトを装用することによりアレルギー症状が惹起されること自体は、よくあります。
当院では、上述の2条件により、継続の可否を判断いたしております。
お忙しいところ、本当にありがとうございます。子供はプチプチと赤みと目やにがあり、痛み痒みはありませんでした。
アレルギー症状はよくあるとのことですが、一度こうした症状が出て中断し、ステロイド治療によって軽快した後再開しても、再度同じようになってしまうケースは多いのでしょうか?
たとえばコンタクトレンズの洗浄のしかたを変えたり、症状が出ないうちからアレルギー点眼薬を日常的に使ったり、あるいは数ヶ月置いて秋から再開する(最初の半年は問題なかったので)など、試してみる価値はあると思われますか。
診ていただいてないのに恐縮ですが、あくまで先生の臨床のご経験の範囲でご意見をいただければ、たいへん助かります。本当に感謝いたします。よろしくお願いいたします。
>アレルギー症状はよくあるとのことですが、一度こうした症状が出て中断し、ステロイド治療によって軽快した後再開しても、再度同じようになってしまうケースは多いのでしょうか?
多いです。
>たとえばコンタクトレンズの洗浄のしかたを変えたり、症状が出ないうちからアレルギー点眼薬を日常的に使ったり、あるいは数ヶ月置いて秋から再開する(最初の半年は問題なかったので)など、試してみる価値はあると思われますか
教科書的には「コンタクトレンズの洗浄をしっかり行う」ですが、実臨床上はあまり効果がない印象です。
私が、実際に効果があると感じるのは「患者さん自身が、眼およびレンズの状態を把握して、休コンタクト日を設ける、アレルギー点眼薬・ステロイド点眼薬を使用する」です。
オルソケラトロジー継続のポイントは
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コンタクトは生体にとって異物であると認識し、アレルギー発現を始めとする不具合事象にどう対処するか患者さん自身が学ぶ必要がある。
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です。
ありがとうございます。とても腹落ちするアドバイスです。オルソケラトロジーはもちろん、どんな症状に関しても、まず自分のカラダのことを知り、お医者さまにアドバイスをもらいながら、学び、選択していくことが必要と再認しました。
そういう意味では、お医者さまからもさまざまな臨床経験から教科書だけではわからない知識を伝授してほしいのですが、そこに格差があることが難しいところです。でも、今回アドバイスいただいたことで、より一層、意識が強くなりました。
子供の近視抑制のために、少しでもできることをやっていきたいと思います。また、今後のご発信からも、学ばせていただきます。お忙しいところ、本当にありがとうございました。