以前、下眼瞼のたるみにヒアルロン酸をいれたのだけど、法令線にも入れました。
通常、法令線にはジュビダームウルトラを使うのだが、小皺タイプの法令線なのでレスチレンリドを使ったとのこと。
ジュビダームとレスチレンの違いは
前回は、自分で自分に適用できるかな?とか書いたけど、無理っぽいです。やはり、餅屋にお願いするのが吉かな。。
以前、下眼瞼のたるみにヒアルロン酸をいれたのだけど、法令線にも入れました。
通常、法令線にはジュビダームウルトラを使うのだが、小皺タイプの法令線なのでレスチレンリドを使ったとのこと。
ジュビダームとレスチレンの違いは
前回は、自分で自分に適用できるかな?とか書いたけど、無理っぽいです。やはり、餅屋にお願いするのが吉かな。。
●第一演者は近畿大学眼科教授松本長太先生でした。
これは良い!と思ったのは、「簡易に自分で緑内障チェックできるチャート」である。
上記チャートは、印刷⇒回転を自分でする必要があるが、クアトロチェッカーならディスプレイ上で完結し、さらに簡単。
眼科医会はACと協調して緑内障の啓蒙運動中だが、セルフチェック法として拡散したら?と感じた。
●第二演者は井上眼科医院特別顧問富田剛司先生でした。
緑内障OCTを見るうえで、GCCの上下差を見ることが大切である。
GCC(神経節細胞複合体層)の上下差注目とか、Temporal Raphe Signが前視野緑内障検出に有用、というお題は最近よく聞くトピックである。
緑内障点眼薬の比較
上から順に、キサラタン、トラバタン、タプロス、ルミガン、エイベリス。
ルミガンが一番下がるのは経験的に知ってたが、統計的にもそうなんだなっと。が、PAP(Prostaglandin-associated periorbitopathy)=色素沈着、睫毛異常、DEUS=眼球陥凹も一番キツいんですょね~。
エイベリスは眼圧降下効果はやや弱い?が、「DEUS、PAPは起きにくいんです」が売り文句。
すなわち、作用と副作用は表裏であり、「副作用が一切でないが、効き目は素晴らしい」は成立しない、ってこと。
1%サンピロを投与している患者さんで充血、頭痛を訴える人がいる。
やや、女性の方に多い印象である。
自己実験してみた。
コリン作動薬であるから、充血はするだろうし、血中に入れば頭痛も起こりうるだろう。しかし、かつて緑内障治療薬として処方していた頃には聞かなかったと記憶する。
緑内障治療している場合と、健康体に処方している場合では、副作用に対する感受度が異なるのかもしれない。
対策は、
ただ、点眼を続けていくうちに馴れてくるようです。
以前、EDoF型の近視抑制レンズについてご紹介した。
当院でもオルソ困難・卒業の際、シード1dayPureを重用している。
今回、そのシードのライバル社?から「低加入度数コンタクトレンズも使えます」という論文[1]-[3]を教えてもらった。
要旨は以下の通り。
+0.50D を加入した低加入度数CL と単焦点CL で近視抑制の比較を行った。
年齢 10~16 歳、近視度数-0.75~-3.50D、乱視度数-1.00D 以下の小児 24 名を2 群に分け、両レンズを 1 日使い捨てで 12 ヶ月間使用した。
装用開始 1 ヶ月後以降で 11 ヶ月間の眼軸長変化量は低加入度CL で 0.09 mm、単焦点CL で 0.17 mm であった。
文中の低加入度CLの実体は、2WEEKメニコンデュオ で、本来は「モバイルライフをサポート」である。
この論文と比べて、症例が少ない & 中立的なエビデンスいるよな、という印象。
ネット渉猟すると、メニコンは欧州でMenicon Bloomを展開している。また、Menicon Bloom Dayなるコンタクトレンズを彼の地で販売しており、
Menicon Bloom Day は、Visioneering Technologies, Inc社が、近視矯正及び近視進行抑制用としてCEマーク認証を取得した、1日使い捨てソフトコンタクトレンズ「NaturalVue®(ナチュラルビュー)マルチフォーカルコンタクトレンズ」のOEM商品であり、この度、当社が欧州において販売する契約を締結いたしました。
然し、
日本国内においては、近視進行抑制に関する規制や承認基準が整備されておりません。本製品の承認も取得しておりません。
かくして、本邦では
Seed=ブレスオーコレクト+シード1dayPure
VS
Menicon=オルソK+2WEEKメニコン デュオ
という構図と相なる。。
1.ソフトコンタクトレンズによる近視進行抑制とその光学的機序
2.Effect of low-addition soft contact lenses with decentered optical design on myopia progression in children: a pilot study
3.光学中心偏心デザインの低加入度ソフトコンタクトレンズの小児近視進行への影響:パイロット研究. :2の抄訳。
2022/8/6、西明石ホテルキャッスルプラザで、横井 則彦先生(京都府立医科大学眼科学教室 病院教授)の講演でした。
「臨床に活きるわかりみTips」を、ご披歴いただいたので、以下雑駁にご紹介する。
2022/7/23の「 第8回黄斑疾患フォーラム in Hanshin」を聴講しました。
第一演者は県立尼崎病院、茶木俊光先生で「加齢黄斑変性の治療でアイリーアにスイッチバックした症例」
・1例目:ベオビュを使っていたが、動脈閉塞、静脈閉塞を起こしたのでアイリーアにスイッチした。
・2例目:ベオビュにしたが効かず、アイリーアにスイッチしたら奏功した。
質疑応答
・2例目で、なぜアイリーアが奏功したのか?→ルセンティス、ベオビューはVEGF-Aにしか働かないが、アイリーアはVGEF-A以外にVEGF-B、PIGFにも作用するからではないか?
・抗VEGF薬の使用順は?→高齢者、基礎疾患がある場合には全身合併症が少ないルセンティスから使う。
次演者の杏林大学片岡恵子先生の話は「滲出型黄斑疾患の最新治療2022」
・アイリーアはルセンティスよりもターゲット親和性が高いため、よく効く。
・ベオビュはターゲット親和性は高くないが、大量投与のため効く。
講義を聴いて私の感想
・市中病院は「アイリーア or バビースモ」の二択。
・ベオビュは「眼内炎や血管閉塞が起こりやすい」で、使い難い。
・〇〇マブ系の薬は高すぎる! 最安の「ラニビズマブBS」のハンズオン講義を望む。
2022年7月23日に、「バビースモ発売記念講演会 in 神戸」を聴講しました。
講師は神戸大学楠原 仙太郎先生と三木明子先生でした。
・従来の抗VEGF薬はVEGF(vascular endothelial growth factor、血管内皮細胞増殖因子)という悪玉因子のみが対象だった。
・一方、この新薬はVEGFに加えてAng-2(Angiopoietin-2)という悪玉因子も対象である。「抗VEGF+抗Ang-2」=バイスペシフィック抗体と呼ぶ。
・Ang-2は、Ang-1のアンタゴニストである。Ang-1は善玉因子で、Tie2レセプターを介して血管壁細胞の安定性、内皮細胞間のtight junctionとBlood Retinal Barrier機能維持に寄与する。
・アイリーアに対して非劣勢が示された。統計有意差はないものの、バビースモ≧アイリーアという印象。
PRN(Pro ne Nata 必要時投与法)、TAE(Try and Extend 計画的投与法)とも、アイリーアは最大延長3か月だが、バビースモは最大4か月まで延長可能。
アイリーア | ルセンティス | ベオビュ | バビースモ | |
一般名 | アフリベルセプト | ラニビズマブ | ブロルシズマブ | ファリシマブ |
取扱い | バイエル、参天製薬 | ノバルティス | ノバルティス | ロシュ、中外製薬 |
適応疾患 | ・中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性 ・網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫 ・病的近視における脈絡膜新生血管 ・糖尿病黄斑浮腫 ・血管新生緑内障 | ・中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症 ・網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫 ・病的近視における脈絡膜新生血管 ・糖尿病黄斑浮腫 ・未熟児網膜症 | ・中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性 ・糖尿病黄斑浮腫 | ・中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性 ・糖尿病黄斑浮腫 |
薬価 | 138,986円 | 142,570円 | 138,725円 | 163,894円 |
※上記以外に、「ラニビズマブ BS」がルセンティスのバイオシミラーとして、千寿から薬価79,348円で発売されている。適応疾患は「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、病的近視における脈絡膜新生血管」2023/1/13から「糖尿病黄斑浮腫」も適応疾患に追加さた。2023/10から「網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫」も適応疾患に追加された。
以下のような質疑応答があった。
・実際に使った手応え、切れ味はどうか?→AMDの未治療についてはバビースモでよい。治療スイッチについては症例不足で不明。
・視神経繊維に対する影響はどうか?→抗VEGF薬は視神経繊維に不利に働くが、バビースモは抗Ang-2の働きが有利に働く。
・バビースモはアイリーアよりも、網膜浮腫に対する効果が高いようだ。
・ただ、薬価は高い & 実績が浅い。もう少し症例蓄積を見る必要がある。
2022/7/31追記。以下の薬剤師サイトがよくまとまっています。
バビースモ(ファリシマブ)の作用機序:類薬との違い・比較【加齢黄斑変性】 – 新薬情報オンライン (passmed.co.jp)
2022/1/23追記
神戸大学眼科三木明子先生によると、
新生血管黄斑症での治療スイッチは
・すぐ効くこともあるが、1,2か月たってから効いてくる場合がある。網膜下高反射病巣 (subretinal hyper-reflective material: SHRM)が出ない限り続ける。
・細動脈瘤がある場合にはよく効く。
↑
SHRMは、滲出型加齢黄斑変性患者の視力及び線維化組織と相関し、抗VEGF薬の治療効果予測に有用であるとされる。cf. Kawashima, Y., Hata, M., Oishi, A., Ooto, S., Yamashiro, K., Tamura, H., Miyata, M.,Uji, A., Ueda-Arakawa, N., and Tsujikawa, A. (2017) Association of Vascular VersusAvascular Subretinal Hyperreflective Material With Aflibercept Response in Age-related Macular Degeneration. American journal of ophthalmology 181, 61-70
先日来、白内障手術機械のCenturionを使ってるが、他サージャンの設定を見せてもらうと、たった一つの設定で手術を全うしておられる方、多数。
業者さんに聞くと、特に日本で30歳以下の術者は、唯一設定を好むらし。今まで、マルチフェーズで細かく設定を使い分けてきた身として驚く。
、、みたいな?
実践すると、本当に一本設定で完走できそうである。そして、このオートマ感こそがActiveFluidicsの真の訴求点といえるかもである。
が、まぁ、術者としてのトリビアな矜持とか、実際上の必要性とかあるので、私は2本は設定します。
2022/8/5追記
日本の眼科[1]に、近視啓発動画「進む近視をなんとかしよう大作戦の巻」が掲載されています。
近視マンなるものを介して、近視啓蒙を行う仕立て。
近視マンは目の健康を脅かすダークヒーローですが、弱点があります。それは子供たちがデジタル端末を正しく使い、屋外活動をすること。
弱点を突けば、”近視マン”の胸にあるパワーインジケーターの目盛りが低下し最後にパワーが0になると吹き飛ばされて泣いてしまうというちょっと弱虫な面も持っています。
掲載公開Youtubeの内容は
よくできてるので、当院の説明用紙にもQRコードをはる予定です。
1.日本の眼科 93:6号(2022) p.740
患者さんが「検診で視神経乳頭陥凹拡大を指摘されました」で来院。既に、ググリ済みで「緑内障ではないか?」と心配している。
当院検査で「OCTで視神経繊維菲薄化」を認めるが、「視野検査は正常」の場合
1.緑内障なのか、緑内障ではないのか?
2.治療する必要があるのか、ないのか?
1.の答え=前視野緑内障
前視野緑内障(preperimetric glaucoma:PPG)眼底検査において緑内障性視神経乳頭所見や網膜神経線維層欠損所見などの緑内障を示唆する異常がありながらも通常の自動静的視野検査で視野欠損を認めない状態を称する。
緑内障診療ガイドライン(第4版)
↑は緑内障は一つの連続したスペクトラム疾患であるということを意味している。
2.の答え=原則、経過観察する。治療することもある。
原則的には無治療で慎重に経過観察する。
緑内障診療ガイドライン(第4版)
しかしながら、高眼圧や、強度近視、緑内障家族歴など緑内障発症の危険因子を有している場合や、特殊あるいはより精密な視野検査や眼底三次元画像解析装置により異常が検出される場合には、必要最小限の治療を開始することを考慮する。
↑で「眼底三次元画像解析装置により異常が検出される場合には、必要最小限の治療を開始する」なら「治療開始」ぽいが、「原則的には無治療で慎重に経過観察する」ときて、自家撞着の感あり。
ま、緑内障学会の物言いは、優れて日本的なので、我々開業医はそのあたりを咀嚼して患者さんに説明する必要がある。
僕は、ガイドラインの条件を踏まえたうえで、患者さんの性格や反応を見極めた提案をすることにしています。
セカンドオピニオンの提示は重要であり、希望の方には緑内障専門外来や桑山先生をご紹介しております。