「美容レーザーのIPL(Intense pulsed light)でドライアイ治療を行う」ときくので、情報を収集してみた。
すると、、
●IPLは、本来は酒皶という皮膚科領域の治療レーザーである[1]。☜酒皶とは、酒飲みの「赤ら鼻」
●2003年ごろから、MGD(Meibomian gland dysfunction=マイボーム腺機能不全)によるドライアイ治療に応用されてきた[2]。
ドライアイで実際に多いのは、涙液量不足より脂不足タイプで全体の86%を占める。この脂不足タイプは点眼が効かない。
僕自身、点眼がききにくい症例については「心理的側面も加味すべきだ」と感じ治療してきた。しかし、Rolando Toyos氏らによると「IPL治療によってMGDを改善すれば脂不足タイプのドライアイも快癒する」「マイボーム腺梗塞や、再発性の麦粒腫に対しても効果がある」
作用機序は、以下のものが提唱されている。
つまり、温罨法や蒸しタオル法のように「単に温度を上げているだけではない」と仰られている。
営業担当に「でも、お高いんでしょう?」と訊ねると、白内障手術機械になんなんとする価格!
しかも、この治療が、東京では普及しており、自費診療で一回1万円も頂戴するやに聞き、いやましに驚く[3]。
正直「ないわー」という印象で、医療においても二極化が斯くの如く進捗しているのだと実感した、、次第。
1.Treatment of rosacea with intense pulsed light: significant improvement and long-lasting results
3.2021-11-25-第29回阪神眼形成カンファレンス。八王子友愛眼科の今野公士先生の提示資料。