2023年の目標(説明編)

「詳しく説明してもらいたい」が、「滞在時間は短く」という人はかなりいる。
一方で「時間がかかっても、詳細に病状説明して欲しい」という人もいる。

ただ、僕が思っている以上に急ぎ人は多く、タイパが訴求されているか?と感じる。

よって、express ムンテラとかexpress会計を、整備する予定です。

2023年の目標(近視治療編)

 近視治療で、ミドリンMを使ってる患者さんには、裸眼視力の推移を入力したカードを手渡している。
眼科クリニックの伝承芸である。

 本年は、アトロピン点眼・オルソケラトロジーを実施している患者さんに、眼軸長、屈折度の変化グラフをアプリケーションで提示したい。
近視研究の論文では必ず、等価球面度数と眼軸長の変化が提示されているからである。
 ☟

Myopia control with novel central and peripheral plus contact lenses .. より引用

 当院独自のアプリをネイティブかWebアプリで配布したいと思い、そんな格好いいことが実現できるんかいな~とも想ふ。

2023年の目標(手術編)

挿入レンズのターゲットずれを極小化する
そのためには、リアルタイムでズレ検出し、フィードバックをかける必要がある。

既に、当院では、術後屈折をデーターベース化&グラフ化しているが、
①採用レンズが多岐にわたる。
②全患者さんのデータをとってくる。
ため、集計に長時間かかる。

そこで、ISAMデータベース(MDB)はやめてSqlServerに移植する予定。

AI画伯

本年も、よろしくお願いします。ᕱ⑅ᕱ


☞当院の決定式はBarrett Ⅱ。現在のところ、、
・アイハンス→ほぼねらい目通り。
・クラリオン→0.5~0.8Dくらい近視化。
・NIDEK→ほぼねらい目通り。
NIDEKレンズはやや入れにくいような気がするが意外と優秀。
圧倒的に入れやすいのがクラリオン。

2022年の反省

年初の展望が実現できたかを、振り返る。

手術編

アイハンスを積極的に適用した年だった。
・供給不安定のため、年途中では優先希望者にしか挿入できなかった。
・アイハンスは夢のIOLというほどでもなく、加入度数が弱い+微小なハログレが存在することがわかった。
2023年は、患者さんの要望を聞いたうえで、Alconのクラリオン、HOYA発売予定のEDoFレンズの使用&併用を進めていく所存。

  

説明編

・入力をSpeech-To-Textエンジンでリアルタイムに行う。→当初AmiVoice使ったがいまいちで、途中からGoogleVoiceを使った。ある程度成功。
・スタッフの人員余力、患者さんの待ち時間をリアルタイムで把握して配分する。→できず。
・Web上で公開している説明紙を、各人のLINE上に直接配布する。→需要がない(?)のでやらず。LINEに関しては、公式アカウントからの診察申し込みが多く、このSNSの影響力を思い知った。

リモート診察編

老眼治療薬の自費診療と相性がよい。老眼年齢の人はITリテラシーが高いのである。
・高齢患者さんでは、つききりで1時間説明しても不可なことがあった。個人差は大きく、困っている人ほど利用しずらいという印象。。

近視治療編

・オルソケラトロジーのレンズでブレスオーコレクトを選択する人が多くなった。
・日本人に合ったレンズを評価する向きが多いという印象で、導入してよかったと感じる。
・シードピュア1DayピュアEDoFも導入したが、オルソケラトロジーよりは近視抑制効果が薄い印象であった。

カフェイン代謝物が近視を抑制する

「7-メチルキサンチン(7-methylxanthine)」についての論文[1]です。

711 myopic children from Denmark treated with varying doses of oral 7-MX (0-1200 mg per day) were analysed.
 Children were followed for an average of 3.6 years (range 0.9-9.1 years) 

以前に触れた論文よりも、多人数(77人→711人)長期間(2年→3.6年)の観察になっており、明るい兆し?
作用の機序は、後部強膜の膠原繊維の濃度や径が増すことによるらし[2]


点眼、眼鏡、コンタクト以外に内服薬が加わるのはよきだが、全身への副作用は気になる。
「子供はコーヒー牛乳も飲んだらいけません!」からね。

 7-MX was found to be non-toxic as compared to caffeine and theobromine

代謝産物であるならば、キサンチンを直接摂るより毒性は低いんのかな?

 

ただ、現在の入手価は、50mg=129USD≒1.7万円。1000mg/日なら34万円/日であります。


1.Oral administration of caffeine metabolite 7-methylxanthine is associated with slowed myopia progression in Danish children
2.Myopia, its prevalence, current therapeutic strategy and recent developments: A Review

miLoopハンズオン

先日のmiLoopを模擬眼で使ってみた。

ポイントは

  1. ハイドロをしっかり行う。
  2. 挿入時にはリング先をCCC縁に近づける。
  3. ハンドルを左に回旋させた状態を保ってリングを開く。
  4. リングが完全に開いてから、手前引き気味&揺らし気味にしてハンドルを右回旋させる。

米国ではそこそこ普及しているが、日本では全然ということでした。
そやろな~という感じ。


参考url

分割システム miLOOP.pdf
Hand positioning of ZEISS miLOOP – YouTube

当院のキャッシュレス構想

当院のクレジットカード業者が仕様変更する由につき、この際キャッシュレス化を模索することにした。

複雑怪奇で、わかりにく~い部分が多々あるので、後学&備忘目的で記す。

キャッシュレスは3種類ある。

  1. クレジットカード系:PIN打ち込み。〇〇カードという名称多し。
  2. 電子マネー系:ICチップをNFCで読み取る。○○カという名称多し。
  3. QRコード系:QRコードをリーダーで読み取る。〇〇ペイという名称多し。

    cf.国内キャッシュレス決済マップ

QRコード系のスキャンは2種類ある。

  1. ストアスキャン:店がユーザーのQRコードを読み取る。ユーザーは便利だが、店は負担大。決済代行業者に一任。
  2. ユーザースキャン:ユーザーが店のQRコードを読み取る。ユーザーは不便だが、店は負担小。○○ペイと個別契約。

    cf.ユーザースキャンとストアスキャンの違い

QRコード系の代行業者は乱立している。

決済代行業者に一任すれば、個別契約するより1%近く割高だが、一括処理可。
この1%が美味なのかもで、雨後筍状態である。

STORESsterapackSquareBizクレカSterapack for医院EPARKEPARK for医院USEN for医院ORCAMO for医院
利用料/月33003300
VISA料率3.242.83.252.451.53.052.21.91.5
JCB料率3.743.743.952.451.9相談相談1.91.9
電子マネ料率1.983.253.753.25相談相談3.24~2.53
QRコード料率3.243.253.753.25相談相談3.24~1.2~
各社比較表

医療機関だったら、ORCAMO一択かな。。


参考動画 「医師会(ORCA管理機構)のカード決済サービスがお得

 

2022/12/5追記

眼内レンズIntensityについて

Intensityの最新情報@リッツカールトン大阪を聴いてきました。

Intensity SeeLens type

-1次、-2次の今まで捨て置かれてた球面収差を利用することにより、3焦点+2焦点=5焦点を実現している。
そのため、光ロスが従来型レンズよりも40%少なく、93.5%の光透過率をもつ。

-1次,-2次の収差を回収している
defocus曲線は5つのこぶを持つ

レンズ中央部は中間距離になっている点は、他社レンズが中央を遠方に設定している点と異なる。
ただし、瞳孔径の大きさに応じて、power配分が大きく変わる+上記の収差回収により、なだらかなdefocus曲線を獲得している。

瞳孔が小さくなると、近見のpowerが大幅に向上する

「近見視力が他社レンズより劣る」と、えの眼科クリニック絵野亜矢子先生は提示されていましたが、ツカザキ病院野口三太郎先生によると「両眼挿入の場合には、近見における眼鏡装用率も大幅に改善する」

【感想】

  • 両眼挿入のできる若者で、瞳孔異常がない、ハログレ最小化を希望する人が対象。
  • 回折格子がついているレンズとしては究極系に近い。ただ、世の中の流れ的には回折格子を廃止する方向なので微妙かな。
  • 開発元のイスラエルのHanita社は、MiniwelのイタリアSifi社をサポート体制において大きく凌駕する。

miLoopについて

この記事では、Zeptoという前嚢切開器具、miLoopという核分割器具がフェムトセカンドレーザーの代替候補として挙げられている。

miLoopについて書く。

MiLoop外観

IOLのインジェクター風の先から輪っかがでてきて、それを嚢内で回転させて核を挟み込む、という仕組みである。

手術手技が、Devide&conquerであろうと、chopであろうと、水晶体を押し込む力が発生するが、押すより引くという発想転換が欧米風でよい。

硬い核の除去に適するというのが、下の動画。

https://eyetube.net/videos/miloop-for-nucleus-fragmentation-in-hypermature-cataract

しかし、この動画では小瞳孔から実にうまく除去している。

https://eyetube.net/videos/miloop-mastered

iris retractorなしで分割し、ベンチュリーのphacotipを瞳孔中央に保持したまま処理を終えている。

したがって、汎用性があるデバイスではないか?と感じるが如何。

認知症予防と視力

ニューヨークタイムズの記事です。
大雑把に意訳すると

認知症の予防薬として、目が飛び出るほど高い薬が開発されているが、ほとんど効かない。リスク要因を取り除く方が、実効性がある。
JAMA研究によれば、全リスクファクターを取り除けば62%の認知症を防げる。1.8%は視力を保つことによって防ぎうる。

以前ご紹介した、白内障手術によって、認知症が防げると同工です。

他のリスクファクターとしては
高血圧、低教育、難聴、喫煙、肥満、鬱状態、運動不足、糖尿病、社会的孤立
が挙げられています。


白内障手術で認知症を防ぐとはいっても、ある程度が進んでしまうと

  1. 手術のリスク対効果が理解できなくなる。
  2. 痛覚に対する閾値も低下する。

となり、局所麻酔では手術が困難。しかし、家族さんは「全身麻酔は怖い」なので、結局そのままということがある。

何事にも、限度がある。
その限度は全身状態、眼局所だけではなく、認知レベルにも規定される。