多焦点レンズと選定医療

日本で承認された多焦点レンズの手術は「選定医療」扱いとなっています。

「選定医療」とは、「追加費用を負担することで保険適用外の治療を、保険適用の治療と併せて受けることができる医療サービスの一種」「病院の差額ベッド代とおなじで本来保険給付される標準的医療に対する付加価値についての差額を自費として支払う制度」となります[1]

多焦点レンズのうち、日本国内「選定医療」の対象として認可されているのはアルコン社とアラガン社の眼内レンズのみです。

しかし、ヨーロッパでは、他の先進国に比較して眼内レンズ認可基準が緩いことから、新機軸の多焦点レンズがいろいろ発売されています。(眼内レンズメーカーは、まずヨーロッパで新製品を発表するほどです)

次回はそういった先進機能をもつ多焦点眼内レンズについてご紹介します。

保険診療、選定医療、自由診療のイメージ図

[1]「選定医療とは」厚生労働省 (mhlw.go.jp)


2023/7/31追記

FineVision社のFineVisionHPも選定医療に追加指定されました。

Comments

  1. 栗田葉子 says:

    52歳眼科看護師です。眼科歴は短く勉強を始めたところで自分が白内障になり、数ヶ月以内に手術をする予定です。
    普段患者さんにオペ説明をしておきながら、いざ自分のことになると、眼内レンズ選択にかなり悩みます。もう少し年齢が上ならば、シンプルに単焦点にすると思うのですが、元来眼鏡なしの生活で少し老眼が始まった程度のため、「多焦点で眼鏡なし」がかなり気になります。しかし、多焦点はコントラストの低下があり、眼科医は自分がオペするなら単焦点を選ぶ人が多いとも聞きます。
    多焦点を入れた患者さんの感想ではほぼ満足している方が多いようではありますが。
    モノビジョン的考え方として、片眼単焦点、片眼多焦点というのもありなのでしょうか。
    また2焦点と3焦点の「遠くの見え方」は同じなのでしょうか。
    3焦点の方が、光を分けている分2焦点よりコントラストが落ちると考えてよいのでしょうか。
    不勉強のため、見当違いな質問もあるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。

  2. Koji says:

    お返事遅れて申し訳ございません m__m

    >モノビジョン的考え方として、片眼単焦点、片眼多焦点というのもありなのでしょうか。
    多焦点レンズは脳順応を要するので、普通は両眼に多焦点レンズを入れることになるかと思います。ただし、各眼に異なるタイプの多焦点レンズを入れることはよくあります。

    >眼科医は自分がオペするなら単焦点を選ぶ人が多いとも聞きます。
    う”~ん、どうなんでしょうか?僕ならエネルギーロスが少ない多焦点レンズを入れたいですが。。

    >2焦点と3焦点の「遠くの見え方」は同じなのでしょうか。
    これは、レンズ特性によると思います。エネルギー分布が遠方に振ってあるレンズのほうがよくみえるでしょう。

    >3焦点の方が、光を分けている分2焦点よりコントラストが落ちると考えてよいのでしょうか。
    これも、エネルギー配分に依存するでしょうね。たとえばアクティブフォーカスとパンオプティクスを比較すれば、遠方についてみればエネルギー配分は69.4% vs 44%ですから、アクティブフォーカスのほうがみよいことになります。ただし、その分をほかの距離に振ってることを有利と見るかそれとも不利と見るかという選択の問題だと思います。

    また、ご質問があればどうぞ!

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