近視治療用の点眼薬

当院では、近視治療薬としては定番のミドリンMに加えて、ピレンゼピンと0.01%アトロピンを処方してきました。(ただし、ピレンゼピンは製造中止になったので現在は処方してないです)

ところが、最近では上記以外にも、新しい近視治療薬が検討されているようなので、以下、あたらしい眼科2020年5月号p.539 大野京子先生の論文から引用します。

【7-メチルキサンチン(7-methylxanthine)】

経口7-メチルキサンチンの近視進行と眼軸長に対する効果を観察したランダム化比較試験(n=77)である。近視の子供は両グループに分け,グループ1は2年間7-メチルキサンチン400mgを毎日1回服用し,グループ2は1年目がプラセボ,2年目から7-メチルキサンチンを服用した。
1年目の結果,7-メチルキサンチンを摂取した子供は眼軸延長率と近視度数の増加が大幅に低下した。2年目の7-メチルキサンチンの治療により,両グループともに1年目と比べて近視進行が抑制されたが,休薬の観察期間には,眼軸延長と近視度数の進行がまた早まった。

この物質は、キサンチン誘導体(カフェイン、テオフィリンなど)の一種で、チョコレートやコーヒーに含まれているようだ[1]

【ケトロラックトロメタミン(ketorolactromethamine)】

ケトロラックトロメタミンは非ステロイド性抗炎症薬の一種であり,アレルギー性結膜炎のかゆみを緩和できる。あるコホート研究では,アレルギー性結膜炎のある子供はない子供と比較し,近視の発症するリスクが高いことが示唆された。ケトロラクトロメタミンは近視ヒヨコの眼軸延長を減少し,近視の進行を抑制させる報告もあった。

この物質は、非ステロイド生消炎鎮痛剤(NSAID)の一種です。


[1].Trier K. Systemic 7-methdyxanthine in retarding axial eye growth and myopia progression: a 36-moth pilot study. J Ocul Biol Dis Inform 2008 Dec 1:85-93

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