老眼治療の新しい点眼薬

前週の慶応大学教授根岸一乃先生の講義後半は、老眼治療についてでした。

Vuityの二重盲検試験の結果は以下の通りで、当院のオレオレ検証と並行する。凡そ、3~4時間までが効き目と見受ける。

欧米では、老眼治療の点眼薬が治験進行中であり、検討されている。

Vuityについては当ブログで既報なので、他薬剤の関連リンクを貼ります。
MicroLine
CSF-1
PRX-100
UNR844
VP1-001

なお、この記事が、簡潔かつ詳細である。


学会会場でのQ&A

Q.5焦点のレンズ(訳注:Hanita社のIntensity)はどうか?
A.使用経験はないが摘出例はある。決定版というほどではないであろう。

Q.(水晶体弾性を増加させる)治験点眼薬はどういう機序か?
A.水晶体のリポイックアシッドによる水晶体クリスタリン蛋白の架橋を断つことによって、水晶体の弾力性を取り戻す。

Q.ピロカルピンを入れてると、かつてよく散瞳不良例が見られたがどうか?
A.治験薬は消炎剤を組み合わせて、散瞳不良を防いでいるようである。

Q.シナジーとパンオプティクスの使い分けは?
A.患者さんに選択肢を任せる。3焦点指名ならパンオプティクス、より近くが見える方が良い and/or 新しく出たレンズがよいならシナジー


2023/1/24追記

某製薬会社が老眼点眼に興味がある由で当院を訪問されました。
ノバルティスが開発断念したこともご存じで、かなり研究されている様子でした。
遠からず、Vuityの国産品が発売されるかもしれません。

Comments

  1. Koji says:

    情報提供ありがとうございます!

    Vuityみたく瞳孔に介入するのではなく、”restoring the elasticity of the eye’s lens that declines with age.”というのは難しんでしょうね。

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