「パキコロイドの登場で加齢黄斑変性診療はどう変わったのか」を聴講しました。

2023/3/11、神戸アイセンターで山城健児 高知医大教授の講義を受講しました。


パキコロイドは以前も書いた、分かりにく~い概念である。
講義後「論点が整理され、明解になった」とおっしゃるが、小生、さなきだにわからん次第。

御高演によると、

  • ドルーゼン関連→古典的AMD+PCV+RAP
  • パキコロイド関連→中心漿液性網膜剥離とその関連疾患

と分類されてきたが、欧米学派はPCVをパキコロイド関連に入れようと画策している。
しかし、PCV症例を多く見ている日本人学者は「それは、無理があるやろ」といってるらし。

 …… ・ω・ … ・ω・ … ・ω・ …………

かくの如く、黄斑屋さんは、昔っからterminologyをめぐり「咄!」「點!!」をやってる。
市井の臨床医は、しかし、高僧には敬意を払いつつ、宗教論争を遠ざけねば、と感じる。

今回の講義から日常臨床にフィードバックできること

  • PCVと古典的AMDを分けることに、あんまし意味はない。ポリープはAMDの新鮮病巣を見ているだけ(かも)である。
  • 硝子体注射薬の山城先生の感触
商品名効き目
ルーセンティス
ラニビズマブBS(≒ルーセンティスのゾロ)
アイリーア
バビースモ中(~強)
ベオビュー
各種硝子体注射薬
  • TAE(Treat and Extend)が主流となる。PRNのように経過観察はなしで、必ず治療して間隔をあけていく。