新世代超音波白内障手術装置のセンチュリオン導入について。

白内障手術を始めて以来、ずっとALCON社の手術装置を使っている。
その馴れ初めから、今回のセンチュリオン導入まで。


 

10thousand

勤務医時代は10thousandで、日本人は1万マスターといってた。永原御大がボトル高を80㎝以上にしてるときいて、45cmそこそこでやってた僕らはびっくりし、聖母病院まで押しかけて設定値を教えてもらったのを思い出す。

Legacy Everest 20000

開業初期はレガシーエヴェレスト20000。デフォルトで前房虚脱が実質的にほぼ起こらなくなった装置だった。「角膜熱傷を起こさないようにする」が当時の争点で、マックールシステムとか本当に角膜を冷却するアタッチメントが存在していた。
で、この角膜熱傷を防ぐ目的もありで、パルスモードの本格導入が始まった。それまでは「パルスモードは初心者モード、手術名人はコンティニュアスモードをセナ足で使いこなす」だったのである。
また、この装置の末期ごろにフレアチップとか特殊なチップが出現し、次世代の横ブレ振動の萌芽が見られた。

  

Infinity

現有機はinfinity。これは上記横ブレをozilモードとして昇華させたALCON渾身の名器である。infinity=∞=ozilモードの動きといいたいのな。
核片保持はよいし、角膜熱傷も起こさないしと、いいことづくめで、本当に開業医向けの手術装置であると感じいり、長年愛用してきたのである。

Centurion

しかし、Centurionを、2022日本眼科学会の機械展示で、触って乗り換える決断をしました。
ALCONの推しは、前房圧をモニタリングしてactiveに圧を負荷するActive Fluidics機能。「業界初です」ていってるんだが、実際はライバル社の〇〇〇であるし、そもそも前房虚脱とか一体いつの話?と、今まで食指が動かなかった。
僕がハンズオンで、感心したのは超音波発振そのものである。infinityよりもかなり洗練されている。ozilモードだとほとんど振動を感じないし、縦振動も全然違くて感銘した。これは実際に手術を行っている人間なら誰しも感じるだろう。
ALCONは、この点をもっと訴求したほうが良いんちゃう?


ALCONは、TOYOTAとかINTELという位置づけで安定感、安心感がある。
このまま、糟糠の妻と偕老同穴と成るかしらん、。。


2022/5/24追記。

Centurionでは「パルスモードではなくてコンティニュアスモードがデフォルトです」。パルスモードにしなくても「食いついがよく、かつ熱損傷も起こさない」なら、コンティニュアスモードのほうがむしろ効率UPで、良き!という結論。