ドライアイのTFOT(Tear Film Oriented Therapy)

前回、「涙液層破壊パターンをAI判定し治療提示してほしい」と書きました
早急には無理っぽいので、人力判定による治療選択について調査しました。

上図のどの層が障害されているのかをBreak Up パターン(BUP)から判定し、適切な治療選択を行う必要がある。
そこで「ドライアイ診療の新時代 (MB OCULISTA(オクリスタ) (2023年11月号(No.128)」に準拠し、即戦仕様のまとめ表を作成しました。

●BUP分類

分類Break Up パターン(BUP)原因異常層推奨治療
Line Break涙液減少(軽症)液層ヒアレイン、ジクアス
Area Break涙液減少(重症)液層涙点プラグ、ジクアス
Spot Break水濡れ低下型=親水性低下型上皮ジクアス、ムコスタ
Dimple Break水濡れ低下型=親水性低下型上皮ジクアス、ムコスタ
Rapid Expansion水濡れ低下型=親水性低下型上皮ジクアス、ムコスタ
Random Break
蒸発亢進型油層ヒアレイン、ジクアス
BUPパターンは京都府立医大のHPから引用

ドライアイには炎症性疾患としての側面があり、フルメトロンを併用することが多い。
するとヒアレイン+フルメトロンの処方になって、ジクアスやムコスタを入れる余地がなくなってしまう。

緑内障点眼薬のように、ヒアレイン+ジクアス+ムコスタの合剤を作ってくれるとありがたいんですがね~。