新生血管緑内障のVEGF治療

新生血管緑内障の患者さんを「観血的に御高療方よろしくお願い申し上げます」と大学病院に紹介した。すると、2日後に眼圧が40mmHg→20mmHg、前房出血も消失した状態で帰院された。

大学では、手術などはせず、アイリーア硝子体注射を施行しただけであり、しかもこれが著効したのである!


新生血管緑内障のVEGF治療は、欧米では2015年くらいから[1]日本では2019年前後から[2]普及した模様である。
緑内障診療ガイドライン(第5版)によると「VEGF薬の眼内投与の有効性が報告されている(エビデンスレベルC)」「手術前に抗 VEGF 薬の眼内投与を併用することで術中・術後合併症を抑制できることが報告されている(エビデンスレベルB)」なので、まずは、VEGFを打って、だめなら観血治療という流れであろう。


アイリーア以外のVEGF薬は、新生血管緑内障に対する保険病名が獲得できていない。最近、アイリーアは押され気味だが、この一点において、十分に存在意義がある。


1.Aflibercept for the treatment of neovascular glaucoma

2.Efficacy and Safety of Intravitreal Aflibercept Injection in Japanese Patients with Neovascular Glaucoma: Outcomes from the VENERA Study

2022/11/7追記
バイエル薬品によると「血管新生緑内障(NVG)の特許期限は2029年ごろ予定で、具体的な月日に関しては未定とのことです。後発品に関しては症例数も少なく、恐らく発売しないだろう」