認知症と網膜厚の関係

Spectral-Domain OCT Measurements in Alzheimer’s Disease – Ophthalmology (aaojournal.org) を読んだ。

早期アルツハイマー者、軽度認知障害(MCI)の発見方法は、高価で侵襲的である。

眼科のOCT検査は、安価・簡便・非侵襲的なので、アルツハイマー症と網膜の厚みの関連性について文献調査をした。

Our results clearly demonstrated that SD OCT measurements at the inner retina, including macular GC-IPL thickness, macular GCC thickness, and peripapillary RNFL thickness, were significantly thinner in AD patients than in controls. Notably, thinning of the GC-IPL occurred in most subsectors of the macula.

黄斑部神経節細胞内網状層、黄斑部網膜神経節細胞複合体、傍視神経乳頭網膜神経線維層の厚みがアルツハイマー患者では薄かった。特に「黄斑部神経節細胞内網状層」が薄かった。(意訳)

「神経節細胞内網状層」のOCT像像は以下の通りで、高反射層として描出される。

神経シナプスが密集する場所であるから、この層が薄くなるということは、脳内シナプス結合も疎になってきているということを示唆するのかもしれない。

OCTは大抵の眼科に装備されているので、内科から「MCIの疑いにがあり、網状層厚測定をお願いします」という依頼が来る日も近いかもしれない。