緑内障とは

  • 緑内障は目でとらえた情報を脳に伝える「視神経」に進行性の障害がおこることにより、視野が徐々に狭くなる病気です。
  • 神経線維が障害を受けると、損傷を受けた視神経に対応する視野が欠けます。
  • 進行はとてもゆっくりであるため、なかなか自覚することができませんが、早期に発見できれば失明に至りません。
  • ただし、急性発作型の場合には、急速に悪化し失明となることがあります。
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緑内障の種類

開放隅角緑内障
  • 開放隅角緑内障は緑内障のタイプの中では最も多いタイプ(8割前後)だと考えられています。
  • 眼球の中を循環する房水と呼ばれる液体が、適切に循環しなくなることが原因です。
  • 年単位で徐々に病状が進行する病気です。
  • 薬物療法を中心として眼圧をコントロールする必要があります。
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閉塞隅角緑内障
  • 眼球を循環する房水と呼ばれる液体の、出口近くに隅角と呼ばれる物理的に狭い部分があります。
  • この隅角が狭くなったり閉じたりしているために房水が流出できなくなり発生する緑内障です。
  • 開放隅角緑内障が年単位で進行する緑内障であるのに対して、閉塞隅角緑内障は急激な眼圧上昇を示すこともある緑内障です。
  • 急激な眼圧上昇をきたすと失明のリスクがあります。
  • 薬物療法だけでなく、レーザー治療や手術が適応されることもあります。
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正常眼圧緑内障
  • 通常の緑内障とは眼圧が高くて、視野が狭くなっているもの、つまり、視神経が障害されているものをいいますが、正常眼圧緑内障とは眼圧が正常(10~20mmHg)以下なのに、視野が狭くなっているものをいいます。
  • 「検診では眼圧は正常だったのに~」と患者さんが嘆くタイプの緑内障です。
  • 高血圧、低血圧、糖尿病、(偏頭痛、冷え性)などの疾患をもっている人に多いため、循環障害が背景にあるのではないかといわれていま す。
  • かつては眼圧の高い緑内障であったひとが、年月を経て次第に眼圧が下がり、正常眼圧緑内障となることもあります。
  • 正常眼圧緑内障では眼圧が正常でも、その人にとってはその眼圧が高過ぎるわけですから、普通の緑内障と同じように、眼圧を下げる治療 が必要です。
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続発緑内障
  • 他の目の病気や、全身の健康状態が原因で生じる緑内障です。
  • 眼のけがや、緑内障以外の眼の病気(ぶどう膜炎など)や、糖尿病などの全身の病気や、副腎皮質ホルモン薬(ステロイド薬)などの薬物によって眼圧が上昇し引き起こされます。
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緑内障の症状

初期の場合は自覚症状がありません
  • 人間は両目で補い合ってモノを見ているため、初期に視力低下や視野障害を自覚することはありません
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視野が狭くなる
  • 進行した場合は、視野が狭いためにつまずきやすくなったり、頭をよくぶつけたりといった症状がでます。
  • 高度な視野障害が生じている場合は車の運転も危険なものとなります。
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視力の低下
  • 進緑内障が進行して視界の中心部分に影響を受けると視力が低下します。
  • 通常視力低下は随分進行してから出現します。
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緑内障の治療

目薬による治療
  • 大きく分けて2種類の目薬があります。
  • 1つは目の中の水が生み出されることを抑える目薬、もう一つは目の中の水が排出されやすくする目薬です。
  • これらの作用を持った目薬を単剤、または数種類を併用して治療します。
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レーザーによる治療
  • レーザー治療は目を切開せずに行うことができるので、目への負担は非常に軽いです。
  • 痛みもほとんどありませんし、繰り返しレーザー照射ができることが利点です。
  • 当院では緑内障治療ができるレーザー機器を完備しております。
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手術による治療
  • 白内障手術と異なり、緑内障手術は根治的効果を得られる手術ではありません。
  • 緑内障手術は合併症が比較的少ない線維柱帯切開術、合併症に特に注意が必要な線維柱帯切除術があります。
  • 発作を起こすようなタイプの緑内障(閉塞隅角緑内障)では、白内障手術を行うことが緑内障の根本的な治療になります。
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当院での治療計画

眼底検査、眼圧、視野
  • 眼圧、眼底検査で緑内障の疑いがあれば、視野検査を行います。
  • 当院では初期緑内障を検出できるFDT視野測定装置を用いております。
  • 精密検査が必要な場合には、ハンフリー視野計を設置しております。
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OCT検査
  • 緑内障の疑いが強い場合には、視神経繊維の本数を直接的に測定するOCT検査を行います。
  • OCT検査で異常が検出された場合には、緑内障治療を開始いたします。
  • 当院では、前視野緑内障に対しても患者さんお互意向を確認の上治療選択を射していただいております。
  • セカンドオピニオンも積極的に採用しており、専門医の意見も参考にしながら治療を行うことができます。
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検査結果の説明
  • 視野、OCT検査の結果は毎回詳細に説明させていただいております。
  • 進行を認めた場合には、点眼薬変更、レーザー治療を行います。
  • 良好な眼圧下降が得られない場合には、手術治療に踏み切ることもあります。
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